【びぃどろ講座】これ本当?イマドキの子は歯並びが悪い

昔から、「よく噛んだ子は歯並びがいい」なんて言いますが、それは本当でしょうか?今日は、歯並びのお話。

歯並びの悪いイマドキの子?

「最近の子は噛まない」
「最近の子は柔らかいものばっか食べてる」
「今時のお母さんは哺乳瓶なんか使って」

だから歯並びが悪い

な〜んて言われませんか?

ちなみに私は歯並びが悪いです。とても悪いです。以前、患者さんに「おまえさん、この2本の歯、使ってなかろ〜?」と本気で聞かれました。えーo(`ω´ )o
でも実はあまり気にしていなくて、こまめにメンテナンスを受けている関係もあってか、虫歯もありません。八重歯があるから、ま、愛嬌愛嬌、と割り切っています(笑)

でも、これまでの努力でどうにかなったのかしら?

最近の子は顎が小さい?

そもそも、顎が本当に小さくなっているのでしょうか?

ある研究によると、昔に比べて栄養状態が大幅に良くなっているため、むしろ大きくなっているという研究も出ています。確かにそうかも。

それともうひとつ興味深いのが、「永久歯の巨大化」です。これも栄養状態が関係しているのかな?と思いますが、そう、歯自体が大きくなっているのです。顎の大きさhがさほど変わらないのであれば、歯が大きくなればガタガタに生えてしまうのは当たり前かもしれませんね。うーん。

歯が綺麗なアーチになるには

そもそも歯並びって、どうやって決まるのでしょうか?

よく噛んだらいいんでしょうか?

実はこれも多少は影響があるのですが、それだけではありません。歯並びは「顎」の動きよりも「舌」と「唇」の関係が大きいんです。

噛むときや、ゴックンするときに、舌はとても盛んに動きます。舌が放射線状に外に向かって歯(特に下の歯)を押し出すように動くんですね。そして、それを上の歯と唇がガッチリとホールドする。

舌で押し広げ、唇で内側に押し込める。それにより綺麗なアーチ状に歯が広がっていくと言われています。

ですから、ただ噛むというより、唇などの筋肉も大きく影響していると言えます。

歯並びって治せる?

大人になってからの歯並びは治せません。矯正治療になると思います。今回は矯正の話はしません。賛否両論ありますのであえて記事にはしません。

ただ、上述の通り、歯並びに舌と唇の力が大きく影響していることは間違いありません。ですから、そこを意識した働きかけが必要です。

まずは姿勢。姿勢が悪いお子さんの場合、多くが顎を突き出した姿勢になっています。唇周りの筋肉がきちんと動かせないんですね。またまた顎を突き出しているということは、首の前面が伸びていることになります。ここは舌の付け根の筋肉にも連動しています。ですから舌を滑らかに動かせるようにするには、首の前面を伸ばした状態ではいけません。

鼻呼吸も重要です。口呼吸の場合は口をパカーンと開けた状態になってしまいます。すると唇の力が適切に働かず、歯並びの乱れになります。

虫歯を作らないこと。これは歯の根っこ自体が崩れてしまうので、虫歯ゼロを目指しましょう。

異常な癖を見逃さないこと。これは指しゃぶりも含まれます。指しゃぶりも短時間だけならさほど問題にはなりませんが、1日に何度もだと舌の動きが悪影響し、歯並びが悪くなる可能性があります。

あれ?じゃあ母乳はよくない?

母乳育児の中でも最近はとても長期で飲んでいるお子さんも割といます。私の子供たちも実はかなり長期にわたって飲んでいました。

母乳や哺乳瓶を長期で続けると、やっぱり歯並びに悪いかもしれない?じゃあ1歳で断乳!?と思うかもしれません。実は母乳の場合はちょっと違います。

母乳の口の使い方と、哺乳瓶の口の使い方は大きく異なります。ですから、母乳の場合は舌や唇の動きを考えても、むしろ歯並びのアーチを整える効果があるとも言われるので、長期母乳をしていても歯並びへの悪影響はないと考えられます。

おしゃぶりや哺乳瓶の場合は、この場合と口の使い方がちょっと異なるので、やはり注意した方がいいでしょう。

健康第一

とは言え、やはり早寝早起き、栄養のある食事が、歯を含めた身体全体へ影響するのはいうまでもありません。体調を整えて、しっかり噛める。そしていくつになっても食事が美味しいと思える体づくりを目指したいですね。

【長岡菜都子(だんらんコーディネーター)】
リハビリテーション専門職である言語聴覚士の国家資格を所有。病院勤務を経て、訪問看護ステーションに入職。以後12年間で、訪問リハビリテーションを学ぶ。対象は乳幼児から高齢者まで幅広く、病気や障害を抱えながらも、にいかにして家族とともに充実した温かい生活を送れるかにこだわり、支援している。
現在は病気や障害を抱える当事者に対し、『個別』ではなく、家庭や関係施設へ『戸別』に訪問し、主に「はなすこと」「たべること」に関する、赤ちゃんの育み支援、こどもの学び支援、成人・高齢者の生活支援を行っている。
その他、医療・福祉・介護・教育施設等への外部講師等も行い、「はなすこと」「たべること」のバリアフリーを目指し活動中。