【だんらんストーリー】イルミネーションの贈り物


クリスマスまで1ヶ月を切りました。少しずつ街にイルミネーションがつき始めましたね。今日はイルミネーションにまつわる思い出を。

イルミネーションのあるおうち

訪問看護ステーション勤務をしていた頃は特にですが、イルミネーションをしているお宅への訪問が楽しくて仕方なかった記憶があります。毎年訪問していると、「あのお家そろそろだな〜」なんて思うんですよね。

私が訪問しているお宅で、2世帯で同居されているお宅がありました。そちらのお婿さんが、とてもイルミネーション好きで、毎年買い足しては大々的にイルミネーションをされていたんですね。

そんなわけで毎年素敵なイルミネーションを飾っているお宅でした。

イルミネーションの種類も本当にたくさんあって、ただピカピカとしているものから、サンタクロースが動いているもの、キャラクターの形の大型のものまで、本当にたくさん飾っていらっしゃいました。

別れは突然に

ある日訪問へ行くと、部屋がなんか片付いてるぞ?どうした?と驚いていると、ご家族から娘さんご夫婦が離婚されたとのこと。そして不要な荷物はいくつか残っているとのこと。

まぁ各ご家庭の事情は感じながら、お話を伺っていたのですが、そこで娘さんから「ちょっと、これ、見て」と。そう・・・大量のイルミネーション。

「これ誰も使わないし困ってるんですよ〜。イルミネーションとか、誰か必要な人いないですかね?」と。

おぉぅ・・・、なるほど。あくまで訪問看護としてお邪魔している御関係なのですが、ちょっと気になったので「一応、アテがあるので聞いてみます!」とお返事をしました。

イルミネーション要る人!

さすがにタダとは言っても、イルミネーションをもらいたがる人なんているかしら?と、不安になりながらも、会社に事情を話し、許可を取り、よく知っている施設を数件当たりました。すると・・・意外とニーズがある(笑)市内の大きな施設、特にお子さんが通うような施設には意外と好評だったのです。

引き取り先が3件ほど見つかったので、それをご家族へお話しすると大喜び。そうですよね、さすがにあってもご自分たちでは設置できないので困るし、どこかでそれを見て喜んでくれる方がいるなら、絶対その方がいい。

そういうわけでイルミネーションを訪問車に詰め込んで、各施設へとお配りしました。

とても喜んでいただけました。施設によっては玄関に飾ったり、施設によっては壁にかけたり。

イルミネーションの意外な使い方

そして、私の中で驚いたのが、「発達障害の方の、スヌーズレンに使う」というもの。

スヌーズレンとは、重度知的障害の方々にとって、心地よい感覚刺激空間を作ることで、余暇やリラクゼーション活動を行うことを言います。薄暗い部屋に、優しい色のイルミネーションや音楽、香りなどを漂わせられるように工夫されています。

当時私はまだ小児領域の訓練歴が浅く、あまり知識がなかったのですが、そうか、そういう役割もこういうものの中には持っているものがあるのか、と感心した記憶があります。

確かにイルミネーションって、見ているだけで心が穏やかになりますよね。それは誰でも同じなんでしょうね。それを訓練や、プレイルームに活用するということを学び、とても嬉しい気分になりました。

後日それを利用者さんへご報告すると、大変喜ばれました。自宅にあった使わないものが、こうやって誰かのために活用されているというのが嬉しかったようです。

我が家にもやってきたイルミネーション

ちなみにこの大量のイルミネーション。私はもらう気なかったのですが、意外なことに義母が興味津々になったんです。「え?飾るの?」と聞いても「なんか楽しいよね!」と嬉しそう。そういうわけで、いくつかは長岡家に仲間入りをしました。

我が家の子どもたちも、祖父母宅のイルミネーションに毎回大喜び。

今年も、そろそろそんな時期。皆さんの家にもそんなクリスマス準備にまつわるエピソード、ありますか?

【長岡菜都子(だんらんコーディネーター)】
リハビリテーション専門職である言語聴覚士の国家資格を所有。病院勤務を経て、訪問看護ステーションに入職。以後12年間で、訪問リハビリテーションを学ぶ。対象は乳幼児から高齢者まで幅広く、病気や障害を抱えながらも、にいかにして家族とともに充実した温かい生活を送れるかにこだわり、支援している。
現在は病気や障害を抱える当事者に対し、『個別』ではなく、家庭や関係施設へ『戸別』に訪問し、主に「はなすこと」「たべること」に関する、赤ちゃんの育み支援、こどもの学び支援、成人・高齢者の生活支援を行っている。
その他、医療・福祉・介護・教育施設等への外部講師等も行い、「はなすこと」「たべること」のバリアフリーを目指し活動中。