【びぃどろ講座】体重が400g減った!?

先日、戸別訪問のご利用者さんであるAさんのお宅へ訪問した際に、ご家族の方から相談がありました。「体重が減ったんです!どうしましょう!?」

さて、どういうことでしょうか?

体重経過を見てみよう

さてこのAさん。ご家族が栄養面を非常に大事に考えておられて、毎月の体重測定とにらめっこしています。わたしが訪問するときも毎回体重経過を確認しています。

この体重経過の確認の際には、まずAさんの顔や足、体格などを目視で確認します。そこで「体重どうですか?」と伺うようにしています。

実はAさん、年末にかけて体重が徐々に低下していたのです。1年かけて4kg減少。そこで、年末から食事内容の見直しを始めました。そこから徐々に体重が増加し、ちょうど2kg戻りました。

その状況での「体重が減ったんです!」というご報告。さて、どうなったんでしょう?

どれくらい減ったのか

「何キロ減りました?」と伺ったところ、返ってきたご返答が…

「400gです」

え・・・?あ、400gですか。思ったより少ないぞ?とおもったのが本音です。

さて、ここで「たいした減少じゃないですよ」と言って終わらせてはいけません。なぜ400g減ったのか、と言う点を検討することも必要ですが、それ以上に「なぜそれを家族が気にするのか?」ということを考える、という点が重要です。

400gが気になるワケ

一般的に考えて体重の400gの変動は、日々あたりまえの範囲です。ですから、月に1回の体重測定の際に、その範囲内の変動に、どうしてこんなにも気になってしまうのかをヒアリングしていきます。

まずは、些細なことが心配だという、純粋な愛情。コレが根本にあるのは間違いありません。

あとは、昨年の体重低下を受けて、どういう対応をすべきかを悩んでいたところではあったので、この2〜3ヶ月のケアに過不足がないか、などを確認したいという思いですね。

これらの想いを確認した上で、安心できる情報や提案を届けることがわたしの仕事でもあります。

実際にどうしたか?

まずは、冷静に、その体重減少は危ない数値なのか、という点について説明をします。排泄や食事量などの日々の変動のなかで起きるものと言うことを理解しているかを確認しました。するとご家族は「わたしも毎日計りますけど、たしかにコレくらい変動があってあたりまえですね」とおっしゃいました。これで少し安心。

そして、ここ数ヶ月で取り入れた栄養ケアが適切かどうかを確認しました。

摂取栄養量が少ないわけではないこと、1日どれくらい取っているかを計算し、目標値との乖離がないことなどを確認しました。そのうえで、食べさせ方や、食べる内容について、間違った認識がいくつかあったので説明をはさみました。

そういった情報をお伝えするうちに、朝食の内容を一部見直すことで、Aさん自体の栄養バランスにも効果があり、ご家族の安心感もえられるという結論となりました。

次の1ヶ月は、これで様子を見ることになります。

戸別訪問のあり方

訪問看護ステーションに勤務していた頃は、ほとんどが週1回などの定期訪問でした。これがあたりまえのスタイルでしたが、独立したことで殆どを1ヶ月間隔に変更しています。金銭的に負担となってほしくない、そう思う部分もありますし、なにより「きちんと濃い1時間を届けたい」と思っているからです。

毎週の訪問を否定するわけではありませんが、毎回濃い1時間をお届けするというのは大変です。けれど1ヶ月間にすべきことを本人さんとご家族にお伝えすることで、その1ヶ月は本人たちの努力を引き出す1ヶ月にすることができます。受け身な支援ではなく、本人たちが能動的に動ける1ヶ月になるのです。

自分の生活のスタイルを変えるには自分しかいません。じぶんの生活を変えるためにも、私達の介入は最小限に留め、自力での活動へシフトしていく必要があります。

今回の食事内容の見直し。また来月までの課題が生まれたのですから、コレを来週確認します。ご家族はソレまでの間、自分たちで工夫しながら課題を乗り越えてくださるでしょう。

こんな関係を、戸別訪問では続けていきたい。そう考えています。

【長岡菜都子(だんらんコーディネーター)】
リハビリテーション専門職である言語聴覚士の国家資格を所有。病院勤務を経て、訪問看護ステーションに入職。以後12年間で、訪問リハビリテーションを学ぶ。対象は乳幼児から高齢者まで幅広く、病気や障害を抱えながらも、にいかにして家族とともに充実した温かい生活を送れるかにこだわり、支援している。
現在は病気や障害を抱える当事者に対し、『個別』ではなく、家庭や関係施設へ『戸別』に訪問し、主に「はなすこと」「たべること」に関する、赤ちゃんの育み支援、こどもの学び支援、成人・高齢者の生活支援を行っている。
その他、医療・福祉・介護・教育施設等への外部講師等も行い、「はなすこと」「たべること」のバリアフリーを目指し活動中。



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