私達専門職は、患者さん・利用者さんなどの対象者と日々関わります。対象者さんの中には、たくさんの支援が必要な方もいますし、逆に自分でどんどんいろんなことに挑戦する方もいらっしゃいます。
私達専門職は、どの様にして関わるのが良いのでしょうか?
今日はこのお話。
心のボタン
私が大好きな作家さんで「東君平(ひがしくんぺい)」さんというかたがいらっしゃいます。
この方は40代という若さで他界されたのですが、生前たくさんの絵本や童話などを世に生み出していらっしゃいます。数多くある著書の中でも、私が大好きなこちら
この中から、1つを抜粋
『心のボタン』東君平
いつか遠い日
母さんが
しっかりつけた
小さなボタン
僕の心にとまっているよ
心のボタンと よんでるよいつか遠い日
「心のボタン」より一部引用
父さんが
しっかりかけた
小さなボタン
今でもちゃんとかかっているよ
心のボタンは ゆるめてないよ
さて、この詩から、何を思うでしょうか?
家族と支援者の違い
私達は対象者さんにとって、家族ではなく支援者です。「家族のように」関わることもあるかもしれませんが、それでも支援者でなければなりません。
家族はやはりこの「心のボタン」に書かれたとおりの役割なんです。
しかし支援者は違います。私達は、この心のボタンに触れてはいけません。
私たちはそのボタンが
大きすぎないか、小さすぎないか、ほつれていないか、掛け違っていないかを見つけられればいい。見つけて教えてあげればいい。
教えるためには、その人のボタンを知らないといけない。見逃さないように、注意しないといけない。
つけかえたり、はずしてはいけない。
そういう立ち位置にいるものです。
家族との距離
支援者として働いていると、対象者との距離が縮まることがあります。それは関係性を作る上であたりまえですが、必要とされていることを見失ってはいけません。
家族と同様に関わると、そこには依存が生まれてしまいます。私達支援者は、あくまでちょっと後ろから伴走するくらいでいいのです。引っ張ってはいけない。
本人たちの走り方を伴走しながら見て、この人の目指すゴールに近づけているのかを分析する。そして、伝える。走り方や走るコースをかえるかどうかは本人次第。
これを守らないといけないな、と思うのです。
そんな思いを感じながら、明日も訪問。いってきます♪
【長岡菜都子(だんらんコーディネーター)】
リハビリテーション専門職である言語聴覚士の国家資格を所有。病院勤務を経て、訪問看護ステーションに入職。以後12年間で、訪問リハビリテーションを学ぶ。対象は乳幼児から高齢者まで幅広く、病気や障害を抱えながらも、にいかにして家族とともに充実した温かい生活を送れるかにこだわり、支援している。
現在は病気や障害を抱える当事者に対し、『個別』ではなく、家庭や関係施設へ『戸別』に訪問し、主に「はなすこと」「たべること」に関する、赤ちゃんの育み支援、こどもの学び支援、成人・高齢者の生活支援を行っている。
その他、医療・福祉・介護・教育施設等への外部講師等も行い、「はなすこと」「たべること」のバリアフリーを目指し活動中。
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