嚥下訓練などを行っていると、舌の動きがとっても大切。言葉にも食事にもどちらも影響している、この「舌」。今日は簡単にできる舌のトレーニングについて。
舌は筋肉の塊
舌って何からできているかご存知ですか?
実は舌のほとんどは「筋肉」からできているんですね。舌には「縦・横・垂直」の3方向それぞれの筋肉があります。それがあの舌の中に凝縮されているんですよ。この3種類の筋肉は、舌の形を自在に変えることができるための筋肉です。
さらに舌は顎やコメカミへつながっていて、それらを使って舌の位置を変えることができます。この目的の筋肉も3種類あります。
このように多くの筋肉によって複雑に動かすことができる舌。やはり筋肉の塊なんですね。
筋肉だけど筋力は?
とはいえ、筋肉の塊だからと言って自在に動かせるわけではありません。その分筋力も必要なんですね。というよりも、筋肉の塊だからこそ、筋力を鍛えなければ意味がない!
そう思うと筋力をしっかりつけるために、ちょっとした日々のトレーニングって大切かもしれませんね。
トレーニングは面倒臭い
とはいえ、トレーニングって…めんどくさい!!!
舌って毎日動いています。それだけでいいんじゃないの?って思いますよね。けれど、実際しっかりと動かしてみると、なかなかの疲労感に見舞われます。例えば以前記事にした「あいうべ体操(記事はこちら→☆)を本気でやってみると、結構しんどい!!
と、いうことは、やはり十分に動かせているわけではないようですね。やはり鍛えなくては!!
…って、分かってはいるんですが私は運動は3日坊主。いけないとは思いつつも面倒臭いんですよね。何か簡単に舌を鍛えられる方法はないだろうか?ということですこ〜し考えてみた方法を、今日はご紹介します。
美味しいをリンク!
やはり楽しさがないと長続きしません。では「美味しい」が重なれば、できないかな?
そんなわけでよく私がお勧めするのが「ガム」を使った方法です。
ガムを食べることが危ないような小さなお子さまや、嚥下障害の方、入れ歯のある高齢の方などはできませんが、それ以外の方で、ガムを普通に噛むことができる方は試してみてください♪
方法
ガムを準備します。フツーのキシリトールガムみたいなもので大丈夫です。昔は板ガムが主流でしたが、いわゆるボトルとかに入っているような粒ガムでオッケーです。むしろ、板ガムだと大きすぎて大変かも?
①ガムを噛む
まずは普通にガムを噛みましょう。きっとそれだけでもトレーニングになっているはずです。ある程度噛んで、柔らかくしましょう。
②舌で丸める
ガムが噛めたら舌で転がして、丸めてみましょう。これが結構難しい。これは、舌の細かな動きの練習になります。
上述の通り、舌ってたくさんの筋肉が絡んでいて、それらが複雑に動くんですね。ですから、したの上でガムを丸めるには、たくさんの筋肉が連動して動く必要があるので、とても難しくなります。ただし、丸めている最中や丸めたものを、間違って誤嚥しないように気をつけてくださいね。
③潰す
さて、今度はその丸めたガムを、口の天井(口蓋)に舌を使ってギュ〜っと押し付けます。綺麗に押し付けることができると下図のような形で口蓋に張り付きます。
これ、簡単そうに見えて、実はすっごく難しいんです。最初は形が歪んだり、ポロポロと転がってしまいます。初めはうまくできなくてもいいので、ガムを食べながら、少し遊び半分で押し付けたり、転がしたりを繰り返してみましょう。
まとめ
舌のトレーニングは筋力をつけることはもちろんですが、それらの筋肉をバランス良く動かせるようになることも重要です。
ガムを噛むだけで、そのバランスをとる練習になり、それを押し付ける力で筋トレになるなど、色々な要素が含まれます。しかもそれが「美味しい♪」なんておまけ付きならいいですよね。
是非一度試してみてくださいね
【長岡菜都子(だんらんコーディネーター)】
リハビリテーション専門職である言語聴覚士の国家資格を所有。病院勤務を経て、訪問看護ステーションに入職。以後12年間で、訪問リハビリテーションを学ぶ。対象は乳幼児から高齢者まで幅広く、病気や障害を抱えながらも、にいかにして家族とともに充実した温かい生活を送れるかにこだわり、支援している。
現在は病気や障害を抱える当事者に対し、『個別』ではなく、家庭や関係施設へ『戸別』に訪問し、主に「はなすこと」「たべること」に関する、赤ちゃんの育み支援、こどもの学び支援、成人・高齢者の生活支援を行っている。
その他、医療・福祉・介護・教育施設等への外部講師等も行い、「はなすこと」「たべること」のバリアフリーを目指し活動中。
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