美術館に行こう

相変わらずの新型コロナウイルスの流行状況になかなか、外出ができない日々ですね。

今日は、そんななか、オンラインを活用した取り組みをおこなったのでご紹介です。

ぼくたちの絵が飾られるよ

私がかねてから指導に入っている市内の重症心身障害者施設。

こちらでは医療的ケア児や、肢体不自由児などが多く通っているために、感染症へのリスクを考慮して利用者さんの外出の制限をなかなか緩めることができずにいます。

さてそんななか、1〜2か月ほど前から、利用者全体で取り組んだ制作活動がありました。パステル画です。市内のアート教室の先生がお見えになり、メンバー全員で描く大作です。今月に入り、市内の市立美術館にて展示されることになったのですが、これもやはり外出にたいしては積極的にはなれません。

呼吸器疾患や感覚過敏などの影響から、マスクはできない方が多いですし、手洗いはまだしもうがいなんてできません。そういったことからも、外出できるのは、その条件をクリアできた1名だけ。他のメンバーさんは時間の関係もあり見に行けないことになりました。

せっかく僕たちの絵が、美術館に展示されるのに・・・。

オンラインでつなげよう

こんな相談をある日、職員さんからうけた私は、少し考えてこう言いました。

私が配信してあげようか?

この提案に、最初は戸惑っていた職員さんもイメージが湧いてきたのか、だんだんと乗り気になってきました。そして、トライしてみることに。

まずは施設のセッティング。プロジェクターとiPadをつないでおかないといけません。知っている人からしたら簡単な事かもしれませんが、重症児を預かっており、常に忙しく神経を張り巡らせている職員さんに、そこまでの負担をかけることはできません。

そのため、まずはセッティングと、当日のマニュアルを作成し、準備を整えておきました。

見られるかな?

そしていよいよ当日。予定通り施設のプロジェクターのセッティングを済ませて、美術館へ向かいました。現地はWi-Fiが入るのですが、どうも建物の中はちょっと厳しい・・・。

モバイルルーター持参していたので、それとスマホとを連動させながら試行錯誤。

そして・・・

つながった!

スマホの向こうで手をふる利用者さん。いつもはiPadでアニメを見ているのに、今日は大画面に絵が映っているよ。

そして自分たちの絵、見える?見えたね!

画面の向こうでみんなが笑顔
映すわたしたちも笑顔

現地には、アート教室の先生もいらっしゃったので、先生も笑顔

とても贅沢な時間となりました。

後日、事前に撮影しておいた動画を編集し、行けなかった利用者さんが、美術館探索を疑似体験できるような動画にしてお送りしました。

日常がなかなか戻ってはきませんが、新しい暮らし方をこうして見つけていくのは、実はとても大切なことですね。