先日、1歳ちょっとのダウン症のお子さんのメール相談がありました。ご家族から許可をいただきましたので、ご紹介させていただきます。
※ホームページへの掲載のご承諾をありがとうございました。
メール相談室まぁぶるとは?⇒☆
その他サンプル動画⇒☆(YouTube:メール相談室まぁぶるの再生リスト)
相談内容
乳児期から戸別訪問、オンライン相談室にてフォローしているお子さんのため、経過フォローがメインとなります。
今回の相談の柱は以下の通りです
離乳食を含めた口の発達についての経過フォロー
ストロー練習の開始時期
およそ2か月ぶりの相談利用となります。どれくらい発達しているかな・・・?( ´艸`)
返信動画
実際の返信動画は以下よりご覧ください。
解説
口の発達について
これまで唇の動きが離乳中期レベルであり、まだ舌による押しつぶしと送り込みがメインのお子さんでした。食事の固さやスプーンの使い方などについて継続的に指導を行っています。今回の動画では少しずつ下顎の左右の動きや、下の複雑な動きが見え始め、歯茎で潰しながら食べる様子が出現し始めました。
ちなみに、こういう口の動きを見るための目安は『口角の動き』
口角は発達とともに、左右が同時に引き動作が出る⇒左右バラバラに引けるようになる⇒ねじれるような動きが出る、といった順序をたどります。今回のこのお子さんは、口角が左右バラバラにねじれた動きが出現し始めたため、口の動きがグッと『咀しゃく』に近づいてきています。咀しゃく上手になったね!すごい!大興奮!!
食事介助の様子を見ると、お母さんのスプーンを入れる角度、引き抜くタイミングもバッチリ〇。これまでの指導も忠実に守っていただいています。ありがとうございます。
念の為、今のお口の動きに合った食事の固さ、水分量についても簡単に説明をしています。
ストローの練習時期
今回のメインはこれ。ストローの練習時期。ストローは便利、使えるようになりたい。これはお母さんが以前から繰り返し聞いていたため、何とかしたい。お気持ちがよくわかるので練習のきっかけができないか様子を見てみました。
先ほどの口角のねじれた動きがしっかりとできるようになると、複雑な唇の動きができるようになります。それがストローをくわえるために必要な能力の土台となります。
が・・・うーん・・・もう少しかなぁ。ストローの練習まであと一歩、がんばれお母さん!
いちおう準備運動としての練習方法をお伝えしつつも、まだ難しいかな、というのが評価結果。けれど何度か時間をあけてトライしていただき、目的の動きが出現したタイミングでまた相談してくださいね、とお伝えしています。こうして次の相談タイミングについてもお伝えをするようにしています。「これができたらまた相談してね」そういう目安があると、目標も明確になります。
目標
当面の目標はストローの使用。ストローを使えるようにしてあげたい。外出のときも便利だし、本人の好きなものを好きなだけ飲ませてあげたい。脱水の心配もこれで減る!
この気持ち、すごいよくわかります。けれどなかなかうまくいかないのがストロー。ストローの練習って、実は本当に大変。これの練習時期を誤ると、誤った癖がついてしまい、お口の発達を逆に阻害することもあります。その為、お母さんの焦る気持ちを押さえて、適切なタイミングまで我慢させて、我慢させて、我慢させる・・・それが私の仕事と思っています。
適切なタイミングを見計らい、発達にとって一番よい方法を一緒に見つけ、お母さんと一緒に支援する。そんなふうに歩んでいきたいです。
ご参考にしていただけましたでしょうか?
【長岡菜都子(だんらんコーディネーター)】
リハビリテーション専門職である言語聴覚士の国家資格を所有。病院勤務を経て、訪問看護ステーションに入職。以後12年間で、訪問リハビリテーションを学ぶ。対象は乳幼児から高齢者まで幅広く、病気や障害を抱えながらも、にいかにして家族とともに充実した温かい生活を送れるかにこだわり、支援している。
現在は病気や障害を抱える当事者に対し、『個別』ではなく、家庭や関係施設へ『戸別』に訪問し、主に「はなすこと」「たべること」に関する、赤ちゃんの育み支援、こどもの学び支援、成人・高齢者の生活支援を行っている。
その他、医療・福祉・介護・教育施設等への外部講師等も行い、「はなすこと」「たべること」のバリアフリーを目指し活動中。
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