先日、施設指導に伺ったところ、「今日はお花見です」とのこと。新型コロナウイルスの流行に伴い、宴会などの集まりが自粛されていますが、今回の花見はそういう花見ではなく、お庭にある桜の木をみんなで見ましょう、というもの。
ご利用者様なの中に嚥下障害の方がいらっしゃいました。さて、どうやって楽しみましょうか?今日はそのお話。
自由に出歩けない
通所施設の営業や利用については賛否両論あるかもしれませんが、施設の種類によっては必要もあります。そのため、その点についての議論は今回は触れません。
ただ、どこも自粛中ではありますから、自由に出歩くことは難しいですね。全く外の空気を吸わないのは逆にきつい部分もあるため、今回は施設の庭にある桜を愛でることに。
車椅子生活の方にとっては、庭の桜を見ることも、気分がいいものですね。
桜の木の下で集合写真を撮り、スタッフさんが少しだけ摘んだ花をみんなが触れたり。チューリップに水をあげたりと、各々の花見を楽しみました。
せっかくだからお茶を
写真撮影などをひとしきり楽しんだあと、みんなでお茶を楽しみましょうとなりました。中にはむせやす方などもいらっしゃいます。屋外に出ていても、普段から施設内で飲んでいる方法や道具が使えるようセッティングをします。少し手間はかかりますが、外での時間を楽しむために安全に配慮することが大切ですね。
花を楽しんで、みんなでお茶を飲みながら。例年ならもっと遠出してみなさんでお花を楽しむこともできるのですが、今年はお庭のお花で精一杯ですね。
代替品の準備
屋外での飲食を楽しむときに重要なのが、衛生面。ただ飲食するだけなら問題はないのですが、倒したとき・こぼしたときに、代わりのものを用意できるかどうかという点を見据えて準備が必要です。
コップなどの食器も一度落ちたら使えなくなるため、代替品をいくつか用意しておく必要がありますね。洋服等もこぼす可能性を見ておかないといけません。
通所での活動には予想外の出来事がつきもの。けれどリスク管理を徹底しながらも、ちょっとしたトラブルに柔軟に対応できるようにあってほしい。更に言うならトラブルを恐れず、いろいろな活動をしてほしいものですね。
そのためにはどんなトラブルの可能性があるか、予測をすること。この視点が大切なのかな?と思います。
とはいえ、トラブルも楽しむくらいのことは大切。怪我などがない範囲であれば、ちょっとしたトラブルを楽しむつもりで施設での活動をみなさんが経験してくれればいいな、と思います。
さて、今年は花見はできませんが、ちょっと花を見て、気持ちだけでも楽しめたらいいですね。
【長岡菜都子(だんらんコーディネーター)】
リハビリテーション専門職である言語聴覚士の国家資格を所有。病院勤務を経て、訪問看護ステーションに入職。以後12年間で、訪問リハビリテーションを学ぶ。対象は乳幼児から高齢者まで幅広く、病気や障害を抱えながらも、にいかにして家族とともに充実した温かい生活を送れるかにこだわり、支援している。
現在は病気や障害を抱える当事者に対し、『個別』ではなく、家庭や関係施設へ『戸別』に訪問し、主に「はなすこと」「たべること」に関する、赤ちゃんの育み支援、こどもの学び支援、成人・高齢者の生活支援を行っている。
その他、医療・福祉・介護・教育施設等への外部講師等も行い、「はなすこと」「たべること」のバリアフリーを目指し活動中。
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