【びぃどろ講座】ベッドに手すりをつけよう

わたしの義父は足が不自由であり、自宅内では歩行器をつかって生活をしています。訪問リハも利用しているため、担当OTさんと相談しながら、日々のすごし方や福祉用具の導入等を行っています。

今日はその話

偶然の発見

私も訪問リハの経歴は13年と、やや長い方になるので、義父に訪問リハを導入する際には、その担当セラピストの方と相談しながら支援方法などを決めていました。その際にお願いしていたことはシンプル。

「週1回の訪問リハですから、治すとか改善とかを目指すのではなくて、今の能力に合った動き方の指導・提案と、福祉用具の導入をおねがいします」とお伝えしていました。

おかげさまで担当のOTさんには本当に良くしていただいており、義父も大きな怪我などなく過ごすことができています。

そんなある日、義父が寝室へ移動した際についていきました。歩行器をおいて、手すりをもって移動し、ベッドサイドの掴まれる場所に手を伸ばし、身体の向きをかえて座る…なんて危ない座り方!!!!びっくりΣ(゚∀゚ノ)ノキャー

大慌てで、担当OTさんへ連絡しました。「ベッドサイド周りの動作確認をお願いします!早急に!」このままだといつ尻もちをつくかわかりません。危ない危ない(;´∀`)

環境を変えるのは難しい

実際どういう状況だったのかと言うとこちら。

手の角度からすると270度以上回転しなければ、ベッドに座る前に尻もちをついてしまいます。手すりもないので支えることもできません。義父は足が不自由であり、脚力が弱っていますから、なかなか立ったままをキープすることが難しい。ドスンと座るので、いつお尻を落とす位置を誤ってもおかしくありません。

では、もう少し手すりの位置をずらそうかと思ったのですが、普段夜は義母が隣で寝るため、こんなところに手すりをおいたら寝られない。うーん、困る。

まだ介護ベッドをレンタルするほどではなく、自宅にもともとからあるベッドですから、柵などの活用もちょっとむずかしい。

結局今回は義母の就寝場所と、義父の動ける範囲を最大限活かすということで、こちらに柵を付けてもらいました。(正確には柵ではなく、「たっちあっぷ(リンクはこちら→)」という商品)

それにより身体を回転させる角度が180度まで狭まり、上図ほどのリスクはなくなりました。

リスクを発見する視点

どうしても家族としては、日々普通に行っていることの中からリスクを見つけるというのは大変なものです。見慣れた行動、見慣れた光景、見慣れた視点。そうなると、そこにリスクがあるということをつい忘れてしまいがち。

今回たまたま気がつけたから改善することができたのは本当に良かったけれど、こういうちょっとした気づきが日々大切なことには代わりありません。

もう一度生活動線を見直そうかな、と改めて思った出来事でした。

お義父さん、安全に楽しく自宅で過ごそうね♪

【長岡菜都子(だんらんコーディネーター)】
リハビリテーション専門職である言語聴覚士の国家資格を所有。病院勤務を経て、訪問看護ステーションに入職。以後12年間で、訪問リハビリテーションを学ぶ。対象は乳幼児から高齢者まで幅広く、病気や障害を抱えながらも、にいかにして家族とともに充実した温かい生活を送れるかにこだわり、支援している。
現在は病気や障害を抱える当事者に対し、『個別』ではなく、家庭や関係施設へ『戸別』に訪問し、主に「はなすこと」「たべること」に関する、赤ちゃんの育み支援、こどもの学び支援、成人・高齢者の生活支援を行っている。
その他、医療・福祉・介護・教育施設等への外部講師等も行い、「はなすこと」「たべること」のバリアフリーを目指し活動中。