【びぃどろ講座】離乳食にバナナ1本!?

離乳食の時期になると、どのくらい食べさせたら良いのかな?そんな相談がしばしば寄せられます。

今日は離乳食の食べる量について

うちの子食べすぎ!?

子供の食事って不思議なもので、母親は食べすぎても、食べなさすぎても心配になるんですね。

そんな中、こんな相談がありました。

「まだ10ヶ月なのに、バナナを1本そのままぺろりと食べちゃうんですけど、大丈夫ですか?」

実はこれと同じ相談って、とっても多いんです。バナナ好きなお子さんって、本当に多いですよね。

この相談をされた赤ちゃん。まだ伝い歩きをしているような赤ちゃんですが、1本のバナナをまるごと食べちゃうって、実際は多いでしょうか?少ないでしょうか?

食事は食べる?

まずは食事をどれくらい食べているのか、という点。とはいえ、このくらいの月齢だと、興味がなくて全然食べない子も多く一概に言えません。

まずは体重が順調に増えているのかということ。コレは発育曲線の真ん中にいるかということではなく、たとえ緩やかながらも体重は増えているかということ。このカーブが明らかに上向きになっていないとか、停滞しているようでしたら、栄養全体の量を考えないといけません。しかしあるていど順調に体重が増加しているようでしたら、摂取栄養は足りていると考えられます。

偏りは?

特定の食品を好んだり、特定の食品を嫌がるということは、赤ちゃんにもしばしばあることです。そこから偏食に移行することもないとは言えませんが、多くの場合は沢山の味覚の経験を通して解消されていくものです。

とくに小さいお子さんの場合、味が嫌いというより「食感」が嫌いということも多くあります。食べ物が固すぎると食べない、などですね。

また、大人もそうですが、甘いものを好むのは子供も同じ。そして、食感もたべやすい「バナナ」。大好きな子ってどうしてこんなに多いんでしょう。

いずれにしても、味・食感・香り・環境などをたくさん経験することによって、「すごい好き」とか「すごい苦手」というものの幅が狭まり、徐々に「大丈夫」と思える食べ物の境界ラインが広がります。そうなると、食べられるもののバリエーションが増えていくのです。

ですから、その都度その都度「食べる」「食べない」ということで判断するのではなく、いろんな味や食感を経験させてあげられれば、それだけで良いんです。

で、バナナ1本は?

そこでバナナ1本を食べる赤ちゃんの話に戻ります。大丈夫でしょうか?

結論から言うと、1日1本程度で、大きな問題になることはあまり考えられません。そもそもこの月齢の赤ちゃんの場合、胃の大きさも200〜300cc程度。そう考えると、どっちにしてもそれ以上食べることはできませんし、食べ過ぎると言っても限界があります。

バナナばかりで他のものを全く口にしないとなると気になるところでもありますが、少しでも他の時間帯に違うものを食べるようでしたら、一時的なものの可能性が大きいので、気長にみてあげましょう。

そもそも栄養はその1食1食で計算するものではありません。それこそ3日とか、むしろ1週間の全体を見てトータルで必要量取れていれば問題ありません。

赤ちゃんの食事は悩みが尽きませんね。けれど、せっかくの成長です。今の可愛い時期は一瞬で終わってしまいます。ママが悩んで過ごすより、楽しんですごしてもらえたらいいな、そしてそのお手伝いができたら良いな。

日々そんなことを考えながら支援をしています。

【長岡菜都子(だんらんコーディネーター)】
リハビリテーション専門職である言語聴覚士の国家資格を所有。病院勤務を経て、訪問看護ステーションに入職。以後12年間で、訪問リハビリテーションを学ぶ。対象は乳幼児から高齢者まで幅広く、病気や障害を抱えながらも、にいかにして家族とともに充実した温かい生活を送れるかにこだわり、支援している。
現在は病気や障害を抱える当事者に対し、『個別』ではなく、家庭や関係施設へ『戸別』に訪問し、主に「はなすこと」「たべること」に関する、赤ちゃんの育み支援、こどもの学び支援、成人・高齢者の生活支援を行っている。
その他、医療・福祉・介護・教育施設等への外部講師等も行い、「はなすこと」「たべること」のバリアフリーを目指し活動中。