【びぃどろ講座】乳歯が溶けた!?

あかちゃんの多くは、生まれた時に歯はありません。生後半年くらいから徐々に生え始め、上の歯10本、下の歯10本が生え揃います。そしてその後、乳歯は抜け、永久歯が生えるのです。これはなんででしょうか?

今日はこのお話。

乳歯はいつ生える?

乳歯は平均的には生後6ヶ月頃より生え始めます。ここは個人差が大きいので、多少の遅れは気にする必要はありませんが、一般的に下の前歯が生え、その後上の前歯が生えます。そして1歳頃までにその両サイドの歯が生えて合計8本になります。

1歳半くらいになると、1つ空いて奥歯が生え始め、更に2歳頃になるとその空いた部分に犬歯が生えてきます。更に2歳半頃から徐々に一番奥の臼歯が生え始めて、合計20本が生え揃うのです。

歯は生え始めてから生え切るまでに多少の時間がかかりますが、およそ3歳半検診頃には全て生えきっています。

欠損・過剰

ちなみに余談ですが、歯には先天性欠損や過剰歯というものがあります。生まれたときから歯の根っこがなくて、その部位の歯が生えてこなかったり、余分に歯があるものですね。

歯並びに悪影響を及ぼす場合もあるので、かかりつけの歯科の先生と相談しながら治療の必要性を相談しましょう。

永久歯はいつ生える?

よく「6歳永久歯」といって、ちょうど小学校入学頃に永久歯が生え始めます。そしてそれに伴って乳歯が抜けていきます。

前歯から抜け始め、徐々に外に広がり、途中で犬歯がカーブを描くように生えてきます。奥歯も生えて歯のアーチ作りに一役買うわけです。

永久歯は時間をかけて生え変わるのですが、一度でも抜けた歯をご覧になったことのある方はわかるかもしれませんが、あれ?根っこってこんな短いの?っておもいませんか?

乳歯って根っこがないの?

乳歯が抜けた時に思うのが、「ちっちゃ!!」ということ。いくらあかちゃんの歯だからって、小さすぎる。だって、歯って根っこがあるんじゃないのかな?って思いませんか?

それなのに抜けた歯には根っこどころか凹みすらある。これはどういうことなんだろう…?

実は乳歯の根っこは「溶ける」んです

え!?溶ける!?

そう、溶けるのです。乳歯の根っこには永久歯が生えてきます。この永久歯が歯茎の中で成長する際に、乳歯の根っこを溶かしながら吸収し始めます。この吸収には数年の時間をかけるのですが、徐々に溶かし、最終的に歯茎から飛び出ている部分だけが残り、ポロリと落ちます。

これが正常な乳歯の抜け方なんですね。

この根っこが溶けるためには、歯の神経が必要です。ですから、虫歯があり乳歯の神経にダメージが有る場合はなかなか溶けることができず、根っこが邪魔して永久歯がそれを避けて生えようとするため、歯並びに異常を来す場合があります。

「乳歯はどうせ抜けるから、虫歯になっても大丈夫」

というのは大きな勘違い。虫歯を作ることなく、一生モノの大切な歯を立派に育ててあげましょう。

抜けた歯ってどうしてる?

ちなみに抜けた歯については、昔は上の歯は縁の下、下の歯は屋根に向かって投げることで丈夫な歯が生えますように、と願ったりしましたね。

けれど最近は歯をしまうケースも多く売られており、投げずにとっておくご家庭も増えたんではないでしょうか?私も自分の子供たちにはそれぞれケースを買って、大切にしまっています。1本ずつ埋まっていくのが嬉しいものですね♪

ちなみに我が家は「トゥースフェアリー(歯の妖精)」が歯を取りに来てくれます。そして虫歯がない綺麗な歯だった場合は、コインと交換してくれるんですよ♪

海外の言い伝えですが、それが描かれた絵本がステキなので、我が家ではそれが習わしになりました。

いつまで信じてくれるかわかりませんが、こういう海外の言い伝えも面白いですね♪

なんにしても、子どもたちの小さい歯。ひとつの成長の証ですね。大きくなっていく子供に寂しさを感じつつ、歯を見ながら成長を楽しみましょうね♪

【長岡菜都子(だんらんコーディネーター)】
リハビリテーション専門職である言語聴覚士の国家資格を所有。病院勤務を経て、訪問看護ステーションに入職。以後12年間で、訪問リハビリテーションを学ぶ。対象は乳幼児から高齢者まで幅広く、病気や障害を抱えながらも、にいかにして家族とともに充実した温かい生活を送れるかにこだわり、支援している。
現在は病気や障害を抱える当事者に対し、『個別』ではなく、家庭や関係施設へ『戸別』に訪問し、主に「はなすこと」「たべること」に関する、赤ちゃんの育み支援、こどもの学び支援、成人・高齢者の生活支援を行っている。
その他、医療・福祉・介護・教育施設等への外部講師等も行い、「はなすこと」「たべること」のバリアフリーを目指し活動中。