先日いつもの施設指導に入りました。いつも通り、そこに来られていたお子さんのお弁当チェックから。あれ?ちょっと固いかな?
魚は美味しいが?
お魚って美味しいですよね。まぁ私が暮らす街はまた特別美味しいので大好きなんですが、調理方法によってはパサついてしまったりするので、お子さんによっては好きじゃない!と言うこともあるかもしれませんね。
ちなみにアレルギーや腸管の発達を考える離乳食時期は、食べ進めるのに配慮がいりますが、嚥下障害などがある場合は、離乳食とはまた違った配慮が必要になるんです。
嚥下障害×魚
魚って加熱するとなんであんなにパサつくんでしょうか?私だけですかね?なかなかうまくできません。私は魚が大好きなので週に2回は魚料理を出しますが、一向に上手くならないような気がします。
加熱すると固くなる原因は「タンパク質」です。魚は肉に比べて油の量も少なく、タンパク質が多いです。このタンパク質は加熱するととても固くなるので、パサつきになります。
ですから嚥下食として魚を提供する場合、魚の種類は
青魚>赤身>白身
の順で食べやすさに変化が生じます。ですから、飲み込みや咀嚼に難しさを抱える方の場合、可能であれば青魚を中心に対応されるのがいいかな?と思います(もちろん状態や料理法方法に左右されますが)
Aちゃんのお昼ご飯
さて、指導に入った施設を確認すると、Aちゃんはいつものお弁当。小さいおにぎりに、おかずが2種類。今日は白身魚なようです。
持参されたお弁当。食べる前にレンジでチンします。するとお魚はどうでしょう。ますますパサパサになっています。
Aちゃんのお口の発達から考えると、この食事形態は無理がある・・・。
一応食べてみよう。すると案の定。
「オエッ」
だ、だよね(・_・;
でもお昼ご飯を食べさせないわけにもいかないのが、通所施設の難しいところ。空腹ではさすがに気の毒。
職員さんも「この魚は固いですよね〜。どうしよう」と困り顔。
なんとかして食べやすくしないと。
車に隠した七つ道具
さて、私は車のトランクに大量の荷物を積んでいます。そこから取り出したのはこちら。
離乳食の出汁粉だ〜。
ちなみに離乳食なので味が物凄い薄いです。大人に使用するときは規定の水の量1/2〜1/3程度の量にしないと味気ないです。
「なんでこんなの車に積んでんのww」とスタッフに笑われながらも、これとトロミ剤を混ぜてみた。
そしてできた餡掛けを魚に合わせると・・・
いい感じ!
まだちょっと口に張り付いて食べにくそうだったり、それでも固いものは「ベー」って出せているので、当面はこれで様子見になりました。
食事形態を考える
障害を抱えるお子さんの場合、日々のケアだけで忙しいのがお母さん。また「食べること」について、そもそも支援を受けないといけない、と言ったことが浸透していないため、このまま流されがちです。
まだ個人的な支援が必要な状態であるのですが、このご家族と私が繋がれるかはわかりません。
私が繋がらずとも、こう言うことを指導できる人と繋がってくれればいいなと思います。
まずは施設という建物を私が指導することで、この子たちの食事が彩のあるものになればいいなと思って訪問しています。
これが「個別」ではなく「戸別訪問」なんですね。
私の仕事はこうやって広がってい来ます。
【長岡菜都子(だんらんコーディネーター)】
リハビリテーション専門職である言語聴覚士の国家資格を所有。病院勤務を経て、訪問看護ステーションに入職。以後12年間で、訪問リハビリテーションを学ぶ。対象は乳幼児から高齢者まで幅広く、病気や障害を抱えながらも、にいかにして家族とともに充実した温かい生活を送れるかにこだわり、支援している。
現在は病気や障害を抱える当事者に対し、『個別』ではなく、家庭や関係施設へ『戸別』に訪問し、主に「はなすこと」「たべること」に関する、赤ちゃんの育み支援、こどもの学び支援、成人・高齢者の生活支援を行っている。
その他、医療・福祉・介護・教育施設等への外部講師等も行い、「はなすこと」「たべること」のバリアフリーを目指し活動中。
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