【びぃどろ講座】これが本当!嚥下食の卵焼き

先日、知人から「卵焼きがうまくできない」と言う話を受けました。そういえば、以前、卵焼きの嚥下食を指導したことがあったなぁと思い出したので、今日はその話。

卵焼きを食べたい

卵料理は基本的にフワフワで食べやすいものが多く、嚥下食として特別な加工をせずとも食べられるものが多い特徴があります。

しかしある日、利用者さんが卵焼きを作り食べさせたところ、喉につまりかけたとのこと。どうして卵焼きで?と驚いたのですが、こう言うことでした。

卵焼きは、卵液を何度かに分けてくるくると巻いていくものです。そのため、作り方によっては“薄焼き卵”をくるくると巻いていることになります。その利用者さんは、食べる時にその卵の層が1枚剥がれて喉にペロンと張り付いたために「おえっ」となってしまったとのこと。そう言うこともあるんですね(・_・;

そういったことから、卵焼きを安全に食べやすい形にする方法を今日はご紹介します♪

フワフワ卵焼きレシピ

材料は以下の通り

  • 卵・・・2個以上
  • 片栗粉・・・少々
  • 水・・・卵1個に対して大さじ1杯
  • 調味料・・・お好みで

作り方

①水と片栗粉を混ぜて、水溶き片栗粉を作り、それから材料を全て混ぜ合わせる

②とにかくしっかり混ぜる

③フライパンをしっかり熱する

④卵液の7〜8割を一気にフライパンに入れる

⑤フライパンをゆすりながら、菜箸で大きく卵液を混ぜて、ユルッとしたスクランブルエッグにする

⑥スクランブルエッグを作りながら奥の方にまとめる。ぐちゃぐちゃでもいいのでまとめる。寄せるだけでいい

⑦残りの卵液を一気に入れて、薄焼き卵のように焼きながら、スクランブルエッグを包んでいく(オムレツ風に)

⑧完成♪

なんでこれがいいの?

これの良いところは「層ができない」と言う点にあります。層ができると上述の通り、喉に張り付いてしまったり、咀嚼中にばらける可能性があります。
あと片栗粉が入っていることで、離水も少なくなり、咀嚼中に水分が滲み出ることも減りるメリットがあります。

普通の食事の中で工夫する

嚥下食というと、特別な食事をイメージしがちですが、普通のご飯の中から食べやすいものを選んだり、普通の食事に一工夫するだけで食べられるようにする方が、ずっと継続性もあり調理する人の負担も軽減できます。

ぜひ試してみてください♪

【長岡菜都子(だんらんコーディネーター)】
リハビリテーション専門職である言語聴覚士の国家資格を所有。病院勤務を経て、訪問看護ステーションに入職。以後12年間で、訪問リハビリテーションを学ぶ。対象は乳幼児から高齢者まで幅広く、病気や障害を抱えながらも、にいかにして家族とともに充実した温かい生活を送れるかにこだわり、支援している。
現在は病気や障害を抱える当事者に対し、『個別』ではなく、家庭や関係施設へ『戸別』に訪問し、主に「はなすこと」「たべること」に関する、赤ちゃんの育み支援、こどもの学び支援、成人・高齢者の生活支援を行っている。
その他、医療・福祉・介護・教育施設等への外部講師等も行い、「はなすこと」「たべること」のバリアフリーを目指し活動中。