近年では一般的になったキシリトール。なんとなく「虫歯にならないらしい」ってことはわかるけど、実際、どう言うものかご存知ですか?
今日は今更聞けない、キシリトールについて。
そもそもキシリトールって何?
虫歯を作るのは、口の中にすむミュータンス菌というバイ菌だと言うことは、ご存知の方も多いと思います。このミュータンス菌は歯につくとどうなるのでしょうか?
まずミュータンス菌が歯につくと増殖を始めます。そして、口の中に付着している砂糖と一緒になると結合しベトベトした塊となります。この塊が他の細菌などを巻き込んで歯垢を作るんですね。
この歯垢を「プラーク」と言います。
さて、このプラークによって歯は溶かされて、最終的に虫歯へと変化していきます。
つまり、ミュータンス菌と砂糖が合体することで、虫歯が作られるわけです。
そしてこの「キシリトール」は、同じ甘みを感じる「糖」なのですが、砂糖とは大きな違いがあります。
そう、プラークを作らないのです。
と言うか、プラークを作る前段階の、ベトベトした塊を作らないんです。キシリトールを取ることで、ミュータンス菌が歯に留まるのを防ぐことができるんです。
キシリトールすごい!
キシリトールは何歳から?
キシリトールは生後8ヶ月の赤ちゃんから使用することができます。小さいうちはタブレットタイプのものを摂取し、3歳以降からはガムもあります。ただし、ガムは窒息の危険性もあるので、形状はお子さんのお口の発達に合わせて選択した方が良いでしょう。
キシリトールでミュータンス菌はやっつけられる!?
では、キシリトールをとっていれば、ミュータンス菌がはの表面につくとはなく、虫歯に全くならないのか!?といえば、さすがにそこまでではないものです。ミュータンス菌も少しは歯の表面にしがみくので、やはり歯磨きは必要なのは言うまでもありません。
なんでキシリトールがいいの?
キシリトールはご存知の通り甘味料の一種です。このキシリトールは食物の繊維に含まれてる糖分です。この糖は他の糖と違う構造をしており、この構造のおかげでミュータンス菌が分解できないために、虫歯の原因となる酸を作ることができないんです。しかもキシリトールを分解しようとミュータンス菌が頑張ることで、菌の力が弱るため、虫歯を作るエネルギーも弱まる、というメリットだらけ。
1日どれくらい摂ったらいいの?
必要量は一般的に1日5〜10gと言われています。歯科医院でのみ購入できる100%のキシリトールガムでしたらい1日4回で充分摂れるんだとか。つまりは毎食後プラス寝る前ですね。
何れにしても、これだけで虫歯を防ぐことはできません。あくまで虫歯予防のための合わせ技の1つです。
これ以外にも色々な方法が推奨されていますが、まずはお口の健康を見直す機会にしていただければと思います。
【長岡菜都子(だんらんコーディネーター)】
リハビリテーション専門職である言語聴覚士の国家資格を所有。病院勤務を経て、訪問看護ステーションに入職。以後12年間で、訪問リハビリテーションを学ぶ。対象は乳幼児から高齢者まで幅広く、病気や障害を抱えながらも、にいかにして家族とともに充実した温かい生活を送れるかにこだわり、支援している。
現在は病気や障害を抱える当事者に対し、『個別』ではなく、家庭や関係施設へ『戸別』に訪問し、主に「はなすこと」「たべること」に関する、赤ちゃんの育み支援、こどもの学び支援、成人・高齢者の生活支援を行っている。
その他、医療・福祉・介護・教育施設等への外部講師等も行い、「はなすこと」「たべること」のバリアフリーを目指し活動中。
最近のコメント