お子さん向けの発達訓練を行うときに、どんな玩具をつかったらいいか悩みますよね。これまでにも、折り紙での遊び方(過去記事☆)、ボールでの遊び方(過去記事☆)についてお話してきました。今日は、コップを使った遊び方についてのお話です。
コップが玩具になるの?
コップが玩具に・・・?なります。おもちゃになるんです。
でも・・・コップが玩具になるって、どういうことでしょうか?
もちろんコップはコップとしての役割があるため、おままごとでコップとして遊んでも大丈夫です。口に入れても安全な形・素材ですので安心して遊べます。また、どのお家にもありますし、どこにでも手に入りますね。
そんな『コップ』が玩具になったら・・・とてもいいですよね♪
どんなコップを使うの?
素材
玩具として用いるコップは、どんなコップでも大丈夫。しかしながら、割れる素材のコップでは遊び方に配慮が必要となりますので、今回は割れない素材のコップでの遊び方を説明します。割れない素材ですから、プラスチックやメラミン製が一般的ですね。もちろん紙コップでも大丈夫ですよ。
色
コップの色は、できる限りはっきりとした色のものがいいでしょう。
パステルカラーのものより、赤や青などの原色がいいでしょう。
大きさ
大きさはお子さんの手のサイズで決めましょう。お子さんの小さな手でも、コップの底が持てる大きさがいいですね。あまり大きいと片手でつかめず、遊びにくいです。
形
取っ手の有無によって、遊び方も変わります。取っ手の無いもの、またはたとえ取っ手があっても、重ねられる形がいいでしょう
数
5つくらいはあるといいでしょう。重ねてあそんだり、親子で両手で持ったりできるので複数用意してください
遊び方
遊び方の例をあげたいと思います
並べる
まずはコップを並べましょう。一列に並べられるかな?家族分並べられるかな?隙間を開けて並べることもできるかな?など、ただの並べ方もひと工夫。数の認識ができたり、ままごとになったり、ギザギザに並べたり、円を描くように並べたり。
重ねる
同じ形のコップを重ねていきます。コップの向きは上向き、下向きそれぞれで手の使い方や持ち方が変わります。それらが出来るなら、今度はコップを並べる際に向きをバラバラにしても、全てを重ねられるかを試しましょう。さらに、片手でできるか、両手でするか、などの変化を見ることも楽しいですね。
積む
コップを重ねることができたら積み上げてみましょう。上下を交互にして、高く積み上げたり、段々にして積んでみたり。高く積むには集中力、手先の巧緻性、空間の認識力など様々な能力が関わります。
崩す
並べたり、積むことができたら崩しましょう。手で崩す、ボールを転がしてボーリング、ボールを投げて的当てなどもできますね
鳴らす
コップを机の上でポコポコ鳴らしてみましょう。自由に鳴らしたり、同じリズムで鳴らしたり。上からビー玉を落としたら、また違った音がしますね。棒で叩いて太鼓遊びもできますよ。
組み合わせる
上述の、太鼓遊びやボーリングなどと同様に、他の道具と組み合わせると、ますます遊びは広がります。
3つのコップのどれか1つに小さな駒を隠してみます。どこに入れたか当てっこしてみましょう。集中力や記憶力の練習になりますね。
コップを1個ずつ持ちましょう。ピンポン球を転がして、コップでキャッチできるかな?ピンポン球は転がしたり、弾ませたり、フーッと吹いてみるのもいいですね。物の動きを予測したり、手先の器用さを育んだり、唇や呼吸の練習にもなりますよ。
おもちゃの定義
子どもは遊びの天才です。どんなものも、最高のおもちゃに変化させる力を持っています。大人が「コップはこう使うもの」という偏見を持って関わると、それ以上の遊びに発展させられないこともあるかもしれません。せっかくですから、遊びを自由に広げてみましょう。
そのためのヒントにしてみてください♫
【長岡菜都子(だんらんコーディネーター)】
リハビリテーション専門職である言語聴覚士の国家資格を所有。病院勤務を経て、訪問看護ステーションに入職。以後12年間で、訪問リハビリテーションを学ぶ。対象は乳幼児から高齢者まで幅広く、病気や障害を抱えながらも、にいかにして家族とともに充実した温かい生活を送れるかにこだわり、支援している。
現在は病気や障害を抱える当事者に対し、『個別』ではなく、家庭や関係施設へ『戸別』に訪問し、主に「はなすこと」「たべること」に関する、赤ちゃんの育み支援、こどもの学び支援、成人・高齢者の生活支援を行っている。
その他、医療・福祉・介護・教育施設等への外部講師等も行い、「はなすこと」「たべること」のバリアフリーを目指し活動中。
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