【びぃどろ講座】嚥下障害とのどぼとけ

私たち、言語聴覚士からすると、嚥下と言えばのどぼとけ、のどぼとけといえば嚥下。

というわけで、今日は、ノド仏のお話。

のどぼとけを鍛える

今朝、こんな動画をアップしました。

嚥下障害の人にとって大切なのどぼとけの動き。この動きを鍛える方法はいくつかあるのですが、これはだれでもかんたんに行える方法なので、動画にしてアップしました。

さて、喉仏の動きって、いったいどうやって決まるのでしょうか?

喉仏を持ち上げる?

実はものを飲み込むとき、ごっくんと音がしますが、その瞬間喉仏が上下に動いています。このとき十分な距離、適切な速度で上下しないとむせに繋がります。

この十分な距離とは喉仏の上に人差し指を当てて、ゴックンでのどぼとけが上に動いたときに、その人差し指を飛び越える距離を言います。

こうやって、のどぼとけの動きを細かに見ながら、ノドに異常がないか、あるとすればどこか、そしてどんなアプローチをしたらいいのか、をかんがえるのです。

ノドを動かす筋肉

のどぼとけを上に持ち上げるための筋肉は主に4つあります。これらの筋肉の細かい話はおいておいくとして、それ以上に大切なのが、これらの筋肉ってとっても小さい、ということなんですね。

言われてみればそうですね。ノドまわりの筋肉ですから、足や腕に比べたら小さいに決まっています。ですから、トレーニングしようにも鍛えることも難しいサイズ。

さらに言うと手や足の様に動かしやすい場所・見えている場所ではないため、外から触って訓練することもできないというのが難しいところです。本人が動かそうとしないと、トレーニンすることが難しいですね。

とはいえとても大切な部位で、この小さな場所に障害をうけるだけで命に関わってしまうのです。ですから、きちんと見定めて訓練をしないといけません。

嚥下体操

実際にデイサービスなどにいくと「嚥下体操」なるものをやることが多いのですが、これの効果は実はまだ曖昧。あまり効果が期待できないとも言われています。ですから、そう言う意味でもだらだらと体操をするより、短い時間で明確なトレーニングをしたほうがいいな、と思っています。

今回ご紹介したこの動画、ぜひ皆さんも練習してみて下さい。そして喉仏を鍛えることで、いつまでも美味しく食事がとれるからだを目指してほしいなと思います。

【長岡菜都子(だんらんコーディネーター)】
リハビリテーション専門職である言語聴覚士の国家資格を所有。病院勤務を経て、訪問看護ステーションに入職。以後12年間で、訪問リハビリテーションを学ぶ。対象は乳幼児から高齢者まで幅広く、病気や障害を抱えながらも、にいかにして家族とともに充実した温かい生活を送れるかにこだわり、支援している。
現在は病気や障害を抱える当事者に対し、『個別』ではなく、家庭や関係施設へ『戸別』に訪問し、主に「はなすこと」「たべること」に関する、赤ちゃんの育み支援、こどもの学び支援、成人・高齢者の生活支援を行っている。
その他、医療・福祉・介護・教育施設等への外部講師等も行い、「はなすこと」「たべること」のバリアフリーを目指し活動中。