食生活をイメージする
今日は7回目
食事介助について
在宅療養をする中で
食事介助において大切な点
それは”時間”
もちろん食事介助のポイントと言えば
食事姿勢
1口の量
スプーンの形状
スプーンの運び方
摂食ペース・・・
などがとてもとても重要なのですが
日常生活になるとそれは後回しになります
だって時間に追われているのですから
「〇時までに食べてくれないと
通所のお迎えが来ちゃうな~」
「今、お茶を飲んでくれないと
もう飲ませる時間無いよ~」
などなど・・・
介助する人の時間的ゆとりが大きく影響します
それでいいのです
それが生活なのです
だからこそ指導する人間は
その方の生活をイメージして
最も効率的に食べられる方法を考えて
提案することが必要なのです
たとえば対象者が小児の場合
兄弟児がいると
兄弟児の学校準備などで
お母さんの朝は戦争です
高齢者であっても
通所を利用している方も多く
通所の送迎時間までに
食べて、着替えて、ひげを剃って・・・
介助する家族にだって生活がある
買い物にも行くかもしれない
お友達を遊びに行くかもしれない
仕事へ行くのかもしれない
その生活を保つ中で
対象者の介護をする
食生活の負担も相当なものです
朝の時間がないお家なら
朝だけ高カロリーな栄養補助食品を使って
短時間で済ませたっていい
経管栄養を併用しているなら
朝は頼ったっていいのです
1日の水分量・栄養量を考えながら
3日、1週間と考えを広げて
帳尻合わせをしながら
その時間に摂る水分や栄養を決める
「水分を摂ってくれません」と訴える
ご家族は多いものです
1回に飲む量は変えずに飲む回数を増やす
飲む回数は増やさずに1回に飲む量を増やす
それぞれ介助者の負担は異なります
どちらが良いか
介助者の生活をイメージして
実行しやすい方を提案します
それでも難しいなら
食事の中の水分量を増やします
お味噌汁をつけたり
餡かけをつけたり
果物を入れてみたり
嚥下障害があると
食事介助自体にも配慮が必要です
だからこそ
介助者の負担を減らすためにも
時間的なゆとりを持ってもらいたい
そんな支援をしていきたいのです
【長岡菜都子(だんらんコーディネーター)】
リハビリテーション専門職である言語聴覚士の国家資格を所有。病院勤務を経て、訪問看護ステーションに入職。以後12年間で、訪問リハビリテーションを学ぶ。対象は乳幼児から高齢者まで幅広く、病気や障害を抱えながらも、にいかにして家族とともに充実した温かい生活を送れるかにこだわり、支援している。
現在は病気や障害を抱える当事者に対し、『個別』ではなく、家庭や関係施設へ『戸別』に訪問し、主に「はなすこと」「たべること」に関する、赤ちゃんの育み支援、こどもの学び支援、成人・高齢者の生活支援を行っている。
その他、医療・福祉・介護・教育施設等への外部講師等も行い、「はなすこと」「たべること」のバリアフリーを目指し活動中。
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