発達障害のお子さんの訓練や相談を受けていると
しばしばこんな悩みを受けます
「もっと早くに療育行ってたら良かったんですかね?」
定型発達のお子さんでも
「早期教育」とか言われている時代ですから
「早期療育」が望ましい…そんな印象でしょうか?
私が思う 療育のタイミング・・・
それは
「いつでも」
かなり無責任に聞こえますが
これが本心です
少なくとも
わたしが行なっている療育のスタイルは
いつでも良い・・・そう考えています
それは
私の療育スタイルが
少し変わっているから・・・かもしれません
私は訪問看護ステーション勤務の頃から
小児領域の訓練にをしているのですが
訪問したときに、私は・・・
何もしません
(笑)
だって、自宅訪問って
すでにお子さんは「遊び」という「生活」をして
過ごしているので、
そこにお邪魔したときに
「この課題しましょうね~」とかが
できないんです
なので私の訓練スタイルは
「見て解説」なんです
お子さんの様子を見て
お母さんとの関わりを見て
ひたすらお母さんに向かって解説
解説・・・
解説・・・
何を解説するのかというと
「今、指先がよく動いたね~」
「今、視線がこっちに向けたね~」
「鉛筆が3本指で持てたね~」
「こんな言葉の表現が出たね~」
「座り姿勢が良いね~」
「運動発達はここまできたね~」
「椅子の高さが高すぎるね~」
「家具の間取りが危ないね~」
「靴のインソール合わなくなってるね~」
「座位保持装置、調整が要るね~」
「おやつ中の口の動き良くなったね~」
「げっぷ出るようになったね~」
・・・こういう
現状の能力の解説を
ひたすらします。
その上で
「次にできること」と
「そのために支援すること」を
お伝えするのです
例えば「喃語」が話せたら次は「一語文」
と、考えるのではなく
「喃語」の中にも
無数の発達段階(ステップ)があるのです
ですから「一語文」という大きなステップを目指すのではなく
今の能力のわずかに隣にある
小さな小さなステップを見つけ
そこにアクションする必要があるのです
私はセッションの時には
今の段階、そしてそのわずか隣にある
スモールステップを
お母さんにお伝えします
それらのいくつかのステップを着実に歩むと
気が付けば
「一語文話せたね」
「きちんと座れるようになれたね」
「集中時間が長くなったね」
「鉛筆がきれいに持てるようになったね」
などと発達していくものです
ですから私にとって発達の指導は
「遅い」「早い」を見ることではなく
「今の段階」と「隣のスモールステップ」を
伝えることなのです
対象児が
発達に不安がある子であれ
定型発達の子であれ
「次のスモールステップ」はあるのです
それを見る。
それを解説する。
それが私の仕事です
療育を受けるタイミングは「いつでも」とは
そういう意味なのです。
そしてそういうスタイルのでセッションを徹底してきた結果
いま、私には苦手な訓練があるのです
受け身の訓練です
「訓練や療育は”受けるもの”」
という考えの方の場合
私のセッションのスタイルだと物足りないかもしれません
あくまで本人さんの活動や、ご家族の関わりを調整して、
本人さんが最大限の能力を発揮できるようにコーディネートする。
だから私はお母さんには
たくさん質問してほしい
私の解説を聞いてどんなことができそうか
逆にできないか
なぜできないのか、
そんなことをたくさんお話ししてほしい
そうしてお子さんが
次のスモールステップに着実に進めるよう
一緒に育みたい
そう思うのです
【長岡菜都子(だんらんコーディネーター)】
リハビリテーション専門職である言語聴覚士の国家資格を所有。病院勤務を経て、訪問看護ステーションに入職。以後12年間で、訪問リハビリテーションを学ぶ。対象は乳幼児から高齢者まで幅広く、病気や障害を抱えながらも、にいかにして家族とともに充実した温かい生活を送れるかにこだわり、支援している。
現在は病気や障害を抱える当事者に対し、『個別』ではなく、家庭や関係施設へ『戸別』に訪問し、主に「はなすこと」「たべること」に関する、赤ちゃんの育み支援、こどもの学び支援、成人・高齢者の生活支援を行っている。
その他、医療・福祉・介護・教育施設等への外部講師等も行い、「はなすこと」「たべること」のバリアフリーを目指し活動中。
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