柳のような

柳のようになりなさい

昔親しい友人から
そう言われたことがあります

まだ20代の頃
言語聴覚士として病院で働いていた時に
私は本当に頭が固かった

仕事をするときもプライベートでも
何に対してもカリカリしていたし
なんでも思い通りにしようとしたし
こうあるべきだ」という
自己主張が強すぎて
考えを押し付けてばかりでした。

リハビリテーションの世界に入り
たくさんの職種の人と出会い
自分の思い通りにならないことも多く

言語聴覚士とはこうあるべきだ
という考えも強く
堅苦しく物事を考えすぎだった

そんなとき
職場で出会った友人が言った言葉が
「柳のような女性になりなさい」
というもの

柳のようなということは
しなやかに
たおやかに
風の流れに合わせて揺らめくけれど
決して折れることはない

固く固く張り詰めたものは
強い風が吹くと折れてしまうけれど
風の流れに身をまかせて動いている人は
流れや周りの空気に合わせて
体の向きや動き方を
変えることができる

何気ない会話から言われたのだけど
私は結構気に入っていて
今でも頭がカチンコチンになったとき
この言葉を思い出して
我にかえる

独立を決めてから
猛スピードで突き進んでいるけれど
ときどきは我に返って
ゆらゆらしないとな、と思っています

【長岡菜都子(だんらんコーディネーター)】
リハビリテーション専門職である言語聴覚士の国家資格を所有。病院勤務を経て、訪問看護ステーションに入職。以後12年間で、訪問リハビリテーションを学ぶ。対象は乳幼児から高齢者まで幅広く、病気や障害を抱えながらも、にいかにして家族とともに充実した温かい生活を送れるかにこだわり、支援している。
現在は病気や障害を抱える当事者に対し、『個別』ではなく、家庭や関係施設へ『戸別』に訪問し、主に「はなすこと」「たべること」に関する、赤ちゃんの育み支援、こどもの学び支援、成人・高齢者の生活支援を行っている。
その他、医療・福祉・介護・教育施設等への外部講師等も行い、「はなすこと」「たべること」のバリアフリーを目指し活動中。