昨日に引き続き、窒息への対応第2弾になります。
※大変!窒息した!①
窒息対応、一番初めは?
まず、窒息への対応で一番最初にすべきなことは…
窒息に気がつくことです
当たり前かもしれませんが、窒息したら「助けて!」とか言えません。ですから、周囲が窒息に気が付ける目を持っておく必要性があります。家庭なら、なんとか目が届くかもしれませんが、施設や病院など、複数の方が同時に食事をしたり、個室で食事をする場合、案外気がつかれない…という場合もありますので注意しましょう。
施設など食堂での食事の場合、職員さんが座る位置を配慮することで、食べている方々を全体的に見渡せるようしましょう。
SOSサインは?
ちなみに、万が一窒息した場合のSOSのサインがあります。これは「チョークサイン」と言われ、人間が自然に行う仕草であり、万国共通と言われています。このサインにより、周囲に窒息を知らせることができます。
窒息者への対応手順
①声をかけて、意識確認
窒息に気が付いたら、まずは声をかけて、意識の有無を確認します。「喉に何か詰まった?」と異物があるのかを確認しましょう。
②助けを呼ぶ・救急車を呼ぶ
窒息の可能性が高い場合、周囲に向かって大きな声で助けを呼び、119番通報とAEDの手配をお願いします。
そして、本人に対しては意識の確認をします。
③意識がある場合
まずは異物を外に出すために「咳」または「声」を出すように指示します。大きな咳が出せる場合は、それを繰り返させ、異物除去法を行います。
- ハイムリック法(下図左)
- 背部叩打法(下図右)
前者は妊婦や幼児にはできません。また肥満体型の人にも前者はできません。この2種類の方法のうち可能な方法で、異物の除去を行いましょう。
④意識がない場合
窒息者の意識が無い場合には、心停止している可能性もあり、心肺蘇生法を実施しましょう。その際に、異物が見えたら手で取り除きましょう。
心肺蘇生の方法は胸骨圧迫やAEDの使用です。口の中の異物を探すために胸骨圧迫をやめる方が問題となりますので、見えない場合は胸骨圧迫を優先しましょう。
窒息を防ごう
窒息は予防できるものであることも事実です。例えば食事も固いものは避ける、弾力のあるもの、張り付きやすいもの、ツルッとしているものも同様ですね。また小さいお子さんは、ピーナッツやボタンなど口に入る形状のものには十分注意しましょう。
さらに食事時に注意がそれやすい、歩き回る、口に放り投げて食べるなどをやめることも大切です。
安全に楽しい食事をみなさんができますように。
【長岡菜都子(だんらんコーディネーター)】
リハビリテーション専門職である言語聴覚士の国家資格を所有。病院勤務を経て、訪問看護ステーションに入職。以後12年間で、訪問リハビリテーションを学ぶ。対象は乳幼児から高齢者まで幅広く、病気や障害を抱えながらも、にいかにして家族とともに充実した温かい生活を送れるかにこだわり、支援している。
現在は病気や障害を抱える当事者に対し、『個別』ではなく、家庭や関係施設へ『戸別』に訪問し、主に「はなすこと」「たべること」に関する、赤ちゃんの育み支援、こどもの学び支援、成人・高齢者の生活支援を行っている。
その他、医療・福祉・介護・教育施設等への外部講師等も行い、「はなすこと」「たべること」のバリアフリーを目指し活動中。
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