【びぃどろ講座】見えないものを見よう

先日施設指導に伺った際、ちょうどパステル画の先生が来られており、通所のご利用者様とアートセラピー中。

今日はそのお話。

パステルって何?

パステルってご存知ですか?最近は100円ショップにもおいてあります。パステルとは、粉末の顔料を粘着剤で棒状に固めた画材で、見た目はクレヨンと似ていますが、クレヨンのようにワックスやオイルの成分を含まないため、テカりのないやさしい色を表現できます。

活動を見学

私はアドバイザーとしての介入ですが、基本は来られている先生のセラピーを邪魔しないように、様子を見ながら輪に入るようにしてます。

慣れない頃は、不適切なタイミングで声をかけてしまって、しばしばご迷惑を…(;´∀`)このあたりは、施設指導の場数をこなさないとだめですね。

そんなわけで、今日は利用者さんがパステル画をしていました。パステルを削り、紙の上に乗せ、それを利用者さんが手でこすります。パステル粉の柔らかい質感に触れるだけでセラピー効果がありますし、色も自由で落ち着きます。

車いすでも、ベッドで寝ていても、皆さんの手元に紙を持っていき、パステルの粉に触れる。色を肌で感じる。そういう空間を共有する時間です。絵が描きたくなるなぁ(笑)

臥位になっている方が手の甲てパステルを感じている様子を見てふと「手元見えないなぁ」と思ったのです。

見えないものを見よう

セラピー上は感覚に集中することも大切なので、あえて見えてなくても良いのですが、座位で活動している子たちより、刺激は少ないのがなんとなく気になった私。鏡を取り出し手元を見せて見ました。

鏡越しに手元を見た利用者さんの驚いた顔。

触覚で感じていたものと、視覚のマッチング。

なかなか普段できないことの体験。

何が正解かはわかりませんが、こう言った表情を引き出せたことは良かったかな?と思いました。

五感を刺激する

普段の支援でも常に意識していることですが、五感を刺激するってとっても大事。

人とのかかわりのなかで、いくつもの刺激を届けるって実はとても難しく、大切なことだったりします。まだまだ上手くできない部分も多くありますが、支援の1つとして今後も学んでいきたいな。そんな経験でした。

【長岡菜都子(だんらんコーディネーター)】
リハビリテーション専門職である言語聴覚士の国家資格を所有。病院勤務を経て、訪問看護ステーションに入職。以後12年間で、訪問リハビリテーションを学ぶ。対象は乳幼児から高齢者まで幅広く、病気や障害を抱えながらも、にいかにして家族とともに充実した温かい生活を送れるかにこだわり、支援している。
現在は病気や障害を抱える当事者に対し、『個別』ではなく、家庭や関係施設へ『戸別』に訪問し、主に「はなすこと」「たべること」に関する、赤ちゃんの育み支援、こどもの学び支援、成人・高齢者の生活支援を行っている。
その他、医療・福祉・介護・教育施設等への外部講師等も行い、「はなすこと」「たべること」のバリアフリーを目指し活動中。