小さいお子さんが發熱した場合に注意しなければならないもののひとつに「熱性けいれん」というものがあります。今日はそのお話。
熱性けいれんとは?
熱性けいれんとは、6カ月~5歳ころの子どもさんが、急な発熱に伴い意識障害やけいれんを引き起こす病気です。子供は急な体温変化に弱く、発熱による急激な変化に対して脳神経細胞が影響を受けて起きるとされています。
けいれんってどんな症状?
そもそもけいれんってどういう症状かわからない、という方も多いと思います。
けいれんの症状は、それこそさまざまです。
急に手足をかたくして突っ張るものや、手足がぴくぴくするもの。この突っ張りやぴくつきが混ざったもの。また、急に体の力が抜けるもの。
さらにこのような症状が出た際には、目線に違和感があります。焦点が合わなかったり、片方をぼーっと見つめるようになったりします。なかには顔色が悪くなったり、嘔吐や失禁することもあります。
これが数分間生じるのが「けいれん」です。
けいれんになったら?
まずは慌てないこと。
そして大声を出したり、無理に起こそうとしたりしないことです。
ベッドの上などでけいれんを起こした場合は、落ちないように見守りましょう。
そして「時間を計りましょう」
この時間を計るというのが、意外と盲点だったりします。また、自分の子供がけいれんを起こした場合、親は慌ててしまいますし
1分が5分にも10分にも感じるものです。ですが、どれくらいの時間かかったか、というのは受診の際に重症度の目安になるため、非常に重要です。
ですから「おちついて」「時間を計る」という点を覚えておきましょう。
基本的にけいれん、2~3分で収まることが多いです。まれに、20~30分と長く続くこともあります。収まった後は、ボーとする時期がありますが意識は元に戻ってきます。
けいれんがあまりに長い場合は受診をしましょう。また短くても繰り返す場合も同様です。すぐに収まっても、翌朝にはなるべく受診をしましょう。
治療は?
一般的には専用の座薬がありますので、それが処方されることがほとんどです。
主治医の先生から使用方法を教わり、適切に対応しましょう。
また、今後どういったことを気をつけるべきか、などについても聞いておけば安心につながるでしょう。
まとめ
まだインフルエンザが全国各地で流行している時期です。急な高熱は誰でも起きうるもの。そういったときの対応を知っておくだけで安心かもしれませんね。
参考になりますように
【長岡菜都子(だんらんコーディネーター)】
リハビリテーション専門職である言語聴覚士の国家資格を所有。病院勤務を経て、訪問看護ステーションに入職。以後12年間で、訪問リハビリテーションを学ぶ。対象は乳幼児から高齢者まで幅広く、病気や障害を抱えながらも、にいかにして家族とともに充実した温かい生活を送れるかにこだわり、支援している。
現在は病気や障害を抱える当事者に対し、『個別』ではなく、家庭や関係施設へ『戸別』に訪問し、主に「はなすこと」「たべること」に関する、赤ちゃんの育み支援、こどもの学び支援、成人・高齢者の生活支援を行っている。
その他、医療・福祉・介護・教育施設等への外部講師等も行い、「はなすこと」「たべること」のバリアフリーを目指し活動中。
①体温が上昇するとき
②他の家族で熱性けいれんの既往がある者がいるとき
③けいれんは左右対称で、その多くが5分以内
④けいれんの回数は個人差がある