先日、友人との会話。私が「産後うつが酷かったんだよね〜」と言うところから、「へぇ、そんな風に見えないけど。どう言うものなの?」との質問が。そうか出産経験ないとわからないかもしれないな、と思い今日はその話。
産前産後の精神面の変化
女性は出産後、身体的にも精神的にも大きな変化が訪れます。その中でも、精神面の変化と言うものはとても大きなものです。
出産前からホルモンバランスが変動して、いわゆる「マタニティブルー」と言われる状態になる人も少なくありません。私は、マタニティブルーも若干あったと思うのですが、切迫流早産で前半は自宅安静、後半は入院、と言う生活を送っていたので、それに対するストレスの方が大きく、妊娠による不安定さはあまりありませんでした。むしろ「早く生まれてくれれば、この入院から解放される〜」とさえ思っていたくらいです(・_・; それくらい入院生活ってしんどいんですね。
楽しい出産
さて、私は入院などをへて、無事に満期まで子どもがお腹にいてくれたので、普通に陣痛がきて出産と言うことになりました。お産の時には、上述の通り「早く生まれてくれれば解放される!!」と言う思いもあったのと、マタニティハイのような状態だったんでしょう、それはそれは楽しい出産となりました。ソフロロジー出産だったこともあり、痛みがほとんどなかったのも影響していると思います。助産師さんと冗談を言い合いながら、笑顔で出産しました。
ちなみに赤ちゃんをとりあげてくださった助産師さんからは「笑いながら陣痛過ごして出産する人、初めて見た〜」と大笑いされました(笑)
そんな感じで、笑顔で元気な出産ができたのです。そう、その日までは。
生まれた日から涙が
とはいえ、体力の消耗の激しいお産。生まれた日からは休めるときは休むと言う生活になります。しかし、赤ちゃんを見ていると幸せなのに、なんだか時々、猛烈な不安に駆られることがあるんです。「母乳たりってる?」「ちょっと小さかったけど大丈夫?」「こんなに寝てていいのかな?」「何したらいいんだろう?」「目が覚めて赤ちゃんの息止まってたらどうしよう」「ウンチの色、これで大丈夫なのかな?」など、出てくる出てくる、不安の渦が…。そうして気がつけば泣いたり笑ったり、ちょっと気持ちの振り幅が大きくなったりします。
便利な時代だからこそ、スマホ片手に検索魔になっては安心し、ため息をつき。
自分の体調は順調に回復していく中で、産院を退院するまでの間、沐浴の仕方、おむつの変え方、授乳量のポイント、栄養管理などいろいろなことを看護師さんから教わります。楽しいけれど、一気に生活が変わるので、だんだんキャパオーバーになり、精神的面の変動が大きくなるんです。
いよいよ退院日
さて、産後母子ともに異常がなければ、数日で退院となります。私も順調な経過を辿ったので予定通りの日数で退院。退院日にある検査をしました。
それが「エジンバラ産後うつ病自己評価票」と言うもの。
これは10個の質問に1問4つの選択式で回答を選択していって、回答の総合点によって産後うつの症状があるのかを判断するものです。
どんな検査?
検査はこんな内容
Q.出産からいままでの間に感じた気持ちにもっとも近い答えを選びましょう。今日だけでなく、過去7日間にあなたが感じたことにもっとも近い答えを選びます。必ず10項目すべてに答えてください。
1.笑うことができたし、物事のおもしろい面もわかった □(0)いつもと同様にできた □(1)あまりできなかった □(2)明らかにできなかった □(3)まったくできなかった
2.物事を楽しみにして待った □(0)いつもと同様にできた □(1)あまりできなかった □(2)明らかにできなかった □(3)ほとんどできなかった
3.物事がうまくいかないとき、自分を不必要に責めた □(3)はい、たいていそうだった □(2)はい、ときどきそうだった □(1)いいえ、あまりたびたびではなかった □(0)いいえ、まったくなかった
4.はっきりした理由もないのに不安になったり、心配したりした □(0)いいえ、そうではなかった □(1)ほとんどそうではなかった □(2)はい、ときどきあった □(3)はい、しょっちゅうあった
5.はっきりした理由もないのに恐怖に襲われた □(3)はい、しょっちゅうあった □(2)はい、ときどきあった □(1)いいえ、めったになかった □(0)いいえ、まったくなかった
6.することがたくさんあって大変だった □(3)はい、たいてい対処できなかった □(2)はい、いつものようにうまく対処できなかった □(1)いいえ、たいていうまく対処した □(0)いいえ、普段通りに対処した
7.不幸せな気分なので、眠りにくかった □(3)はい、ほとんどいつもそうだった □(2)はい、ときどきそうだった □(1)いいえ、あまりたびたびではなかった □(0)いいえ、まったくなかった
8.悲しくなったり、惨めになったりした □(3)はい、たいていそうだった □(2)はい、かなりしばしばそうだった □(1)いいえ、あまりたびたびではなかった □(0)いいえ、まったくそうではなかった
9.不幸せな気分だったので、泣いていた □(3)はい、たいていそうだった □(2)はい、かなりしばしばそうだった □(1)ほんのときどきあった □(0)いいえ、まったくそうではなかった
10.自分自身を傷つけるという考えが浮かんできた □(3)はい、かなりしばしばそうだった □(2)ときどきそうだった □(1)めったになかった □(0)まったくなかった
これが内容です。どうでしょう?あまりピンとこない方も多いかもしれませんね。でも目の前に、赤ちゃんが生まれて、1週間前の自分と明らかに違うのです。そして、「この子の命と人生を守らないといけない」と言う責任がズシンとのしかかった時に、みんなこの検査ためらいなくポジティブに答えられるの!?と言う疑問が沸いたののも事実。
ちなみにこの検査は、30点満点中9点以上で、産後うつの疑いとなります。欧米では14点以上だとか。
長岡の結果はいかに!?
さて、この検査。私は何点だったでしょう(笑)
21点
完全に産後うつwwなんでやー。
まぁホルモンバランスの安定とともに落ち着くものではあるのですが、この高得点に一番驚いたのが看護師さん。
「長岡さん!あんなゲラゲラ大笑いして出産したのに、こんなに悩んでたの!?」
って、ひどい(笑)でも実際それがお産の怖いところ。それくらい人の精神面を狂わす部分を孕んでいると言うことなんですね。
その後どうなる?
私の暮らす自治体では、この産後うつの検査結果が9点以上だったり、赤ちゃんが低出生体重児(2500g未満)、早産児(在胎37週未満)だった場合、保健師さんの「赤ちゃん訪問」が早くなります。産後わりとすぐに来てくれるんですね(産後3週間以内)。こうして、私は保健所からもしっかりチェックされてしまったわけです。なんてこったい。
このチェックには色々な意味があります。赤ちゃんの健やかな発達はもちろん、母親の生活の支援ですね。産後うつがひどいとネグレクトや虐待などに発展する可能性もあるため、早期に介入することで、社会で母子を守ろうと言う考えです。
誰でもなるよ、産後うつ
そんなわけで、産後うつ。私がなぜこんなことを言うのかと言うと、誰でもなる可能性があるんだよ、と言うことを知ってもらいたい。そして、産後うつになることは普通のことなので、新米ママも不安になる必要はないんですよ。
もちろん出産直後だけではなく、育児をする中で「ガルガル期」と呼ばれる時期があったり色々あります。私もそれらを一通りこなしてきました(笑)ガルガルしたなぁ(笑)
でも、やっぱり子どもを育てることは楽しいことであって欲しい。
いろんな不安がある中で、幸せとか喜びを忘れないで欲しい。
自治体やいろんなサービスがある中で、母子が健やかに生活できることは、とても大切なこと。私もそんな支援のお手伝いが、少しでもできればいいなと思います。
【長岡菜都子(だんらんコーディネーター)】
リハビリテーション専門職である言語聴覚士の国家資格を所有。病院勤務を経て、訪問看護ステーションに入職。以後12年間で、訪問リハビリテーションを学ぶ。対象は乳幼児から高齢者まで幅広く、病気や障害を抱えながらも、にいかにして家族とともに充実した温かい生活を送れるかにこだわり、支援している。
現在は病気や障害を抱える当事者に対し、『個別』ではなく、家庭や関係施設へ『戸別』に訪問し、主に「はなすこと」「たべること」に関する、赤ちゃんの育み支援、こどもの学び支援、成人・高齢者の生活支援を行っている。
その他、医療・福祉・介護・教育施設等への外部講師等も行い、「はなすこと」「たべること」のバリアフリーを目指し活動中。
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