【講師】山口県栄養士会下関支部会研修

8月4日は何の日でしょう?栄養の日だそうです。

本日は、毎年行われる、この栄養の日の啓発イベントである、山口県栄養士会下関地域専門部会研修会の講師を務めてまいりました。

今回でもう5年目。毎年ご依頼をいただいて本当に感謝です。毎年講義の対象とする方が変わるため、講義内容も変化でき、私自身のステップアップになっています。この栄養士会の皆さんは、本当にエネルギッシュで日々病院や学校・施設などの給食に細やかに配慮されていることがうかがえます。毎回、このエネルギッシュな栄養士さんに囲まれて、刺激たっぷりの中、講師を任せていただくことに感謝しております。

今年度は、昨年度に引き続き、市の食生活改善推進員さん向けのセミナーとなりました。40名ほどの方にお越しいただき、嬉しい限りです。さらに2年連続お越しいただいた方もいらっしゃり、本当にありがたい限り。

今回のテーマはこちら

『口から食べ続けるためにできること』

セミナーの受講者の方が全員、食生活改善推進員さんであり、その方々の役割に適した内容を…ということで、このテーマでお伝えしました。

食生活改善推進員とは、 家庭の食卓を充実させ、地域の健康づくりを行うことから出発しており、 「食生活を改善する人」として地域で活動する方々です。地域ぐるみのよりよい食習慣づくりをするために、食生活改善のための地区組織活動を行い、地域全体がお互いの交流を深め、問題解決に向かって協力し合い、人と人とのつながりの輪が広がっていく活動を今後されていくのです。

ですから、専門的な視点を持っていただくというより、高齢化が進んでいるなか、地域で暮らす方々に目を向けて、地域の方の異常を早期に発見したり、必要な方には専門家を紹介できるような知識や視点を持っていただけるよう、今回の講義資料を作りました。

後日のアンケート結果にドキドキ・ワクワクしています。
そんなわたしの想いが伝われば嬉しいなぁと思います。

また、研修後半は昨年同様、実際の介護食を準備していただき、実食したり、食べにくさの体験をする時間も作ることができました。市販の介護食のレトルトの食べ比べはもちろんですが、キュウリもスライスとぶつ切りとみじん切りでは、咀嚼回数が変わるのか?という実験もありました。

そして今回、私の希望で『パン粉』を出してみました。

「きざみ食って食べにくい、と言われるけどなんでですか?」という質問に対して、私はいつも「パンはパン粉にしても食べられません。それと同じです。」とお答えしています。

ではどうしたらパン粉を食べやすくするのか?
牛乳に浸す?
いえいえ違います。
牛乳に浸した後、炊かないといけません。

パン粉そのものを軟らかくしないと、食べにくさは変わらないんですよ。刻み食も同様で、粒自体が軟らかくないと意味がない。ということは、調理段階での配慮が必要なんです。このように食事支援において、調理段階でしておかないといけないことって、とても多いんです。でもその分、調理を適切にしていれば食事って、グッと安全になるともいえます。

研修後も数名の方にお声掛けいただき、質問にもお答えすることができました。まだまだSTという職種がいる、ということ自体ご存じなかった方も多く、きちんとアウトプットしてお伝えしていかなければならないんだなと痛感しました。

今後も、いろんな方法でいろんな場所で伝えていきたいです。

今年度は栄養士さんとの研修会の依頼がとても多く、私も栄養についてしっかりと学びなおす1年となりそうです。

山口県栄養士会下関支部会の皆さん、ありがとうございました。
市の食生活改善推進員の皆さん、ありがとうございました

【長岡菜都子(だんらんコーディネーター)】
リハビリテーション専門職である言語聴覚士の国家資格を所有。病院勤務を経て、訪問看護ステーションに入職。以後12年間で、訪問リハビリテーションを学ぶ。対象は乳幼児から高齢者まで幅広く、病気や障害を抱えながらも、にいかにして家族とともに充実した温かい生活を送れるかにこだわり、支援している。
現在は病気や障害を抱える当事者に対し、『個別』ではなく、家庭や関係施設へ『戸別』に訪問し、主に「はなすこと」「たべること」に関する、赤ちゃんの育み支援、こどもの学び支援、成人・高齢者の生活支援を行っている。
その他、医療・福祉・介護・教育施設等への外部講師等も行い、「はなすこと」「たべること」のバリアフリーを目指し活動中。