先日近所の小学校低学年くらいのお子さんが「今日、”鼻語”なの」と言いました。
普段からユーモラスな子で、鼻をブヒブヒさせながら話していました。
相変わらず面白い子だなぁと、笑いながらしばらく会話をしていました。
しばらく話しているうちにその子から
「お母さんが、風邪をひいたから、お母さんも鼻語だって。そしたら私もうつったの」と言ったので、「あら、心配だねぇ」と答えました。
そこでふと・・・
あ「鼻語」は「鼻声」のことか!!
と、気が付きました。
その子も本気で”鼻語”と思っているようでした。私も特に訂正はせず、会話をそのまま続けたのです。
子どもの思い込みで、新しい単語が作られる。
これってとても素敵なことだと思います。
実際に、たとえ言い間違いであったとしても、こどもの言い間違いは可愛いらしいものです。これは本当に思います。しかしそれも、発達上特に心配のないお子さんでしたら、可愛いねで過ごせますが、心配のあるお子さんの場合は、親御さんの心配は計り知れません。
今回の”鼻語”と言ったお子さんは、とくに発達の心配はないお子さんですので、日常の一コマの笑い話ですが、それでは安心できないお子さんの場合にはどうしたら良いでしょうか?
正しい発音やことばを促すには?
そのままのことばを受け止める
基本的に、言い直しなどによって改善していくものではありません。ことばも発音も、会話の前後のつながりや総合的な発達によって育まれるものです。そのため、その場の言い直しが改善への働きかけにはならないのです。
基本姿勢は言葉の誤りはおおらかに受け止める。そしてコミュニケーションを楽しみ、空気を共有しましょう。
ことば遊びをしよう
ことば遊びができるくらいになると、誤りは徐々に軽減します。しりとりや、逆さ言葉など「単語lから「文字」を切り抜けるようになると、誤りは減少します。
ことば遊び、楽しみましょう♫
ゆっくりと文で話す
たまに、単語を教えようと、単語を一生懸命伝えるお母さんがいらっしゃいます。単語は一音・一単語ずつ覚えるものではありません。あくまで会話や経験の中から徐々に単語を“知る”ようになるものです。
ですから、単語をおしえるというより、簡単な文でゆったりと聞き取りやすいように話しかけてあげましょう。
五感を刺激しよう
言葉に限らず、発達全般に言えることですが、五感を刺激した関わりをしましょう。テレビやスマホを見ていても、視覚や聴覚に偏っているため、他の刺激入力が乏しくなります。
ぜひ、触れて、感じて、共有する。
そんな体験を通して、言葉だけではなく、全般的な発達を支援してあげましょうね。
【長岡菜都子(だんらんコーディネーター)】
リハビリテーション専門職である言語聴覚士の国家資格を所有。病院勤務を経て、訪問看護ステーションに入職。以後12年間で、訪問リハビリテーションを学ぶ。対象は乳幼児から高齢者まで幅広く、病気や障害を抱えながらも、にいかにして家族とともに充実した温かい生活を送れるかにこだわり、支援している。
現在は病気や障害を抱える当事者に対し、『個別』ではなく、家庭や関係施設へ『戸別』に訪問し、主に「はなすこと」「たべること」に関する、赤ちゃんの育み支援、こどもの学び支援、成人・高齢者の生活支援を行っている。
その他、医療・福祉・介護・教育施設等への外部講師等も行い、「はなすこと」「たべること」のバリアフリーを目指し活動中。
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