先日、とろみ剤についての記事をアップしました。その際に、とろみが強くなると美味しくないので、「ゲル化」がいいですよ、とお伝えしたので、今日はその話。
なんでとろみ剤が必要なの?
とろみ剤と言うものは、基本的に水分に用いるものです。飲み込みの力が衰えた人が、サラサラな水分を飲もうとすると、ゴックンが出る前に喉に流れ込んでしまい、むせてしまいます。そのために、ゴックンが出るタイミングまで、奥に流れ込まないよう、喉に待機できるにするためのものです。
とろみがつけばつくほど、喉に流れるためには時間がかかるようになるので、飲み込みのスピードが衰えた人ほど、とろみが必要になるのです
でも美味しくない
けれど、必要だからととろみの量を多めにつけるようになると、今度は美味しくなくなっていくんですね。
それもそうですよね、例えばコーヒー好きな人が、コーヒーを飲みたくても、むせるからとろみをつけたときに、それがマヨネーズみたいな形になってたら美味しくないに決まっています。
ですから、とろみ剤も安全のためとは言え、美味しさを損なうと、途端に使う気が薄らいでしまうものです。
ちょっと粉を変えてみよう
そこで私が提案するのは、「とろみ剤」ではなくて「ゲル化剤」え?それってなんでしょうか?
「ゲル化」の「ゲル」は「ゼリー」のことです。
ゲル化したら、味わいがちょっと変わるのです。
「とろみ」と「ゲル化」一言で言うと?
このふたつの違いを、一言で表すと
とろみ・・・カラメルソース
ゲル化・・・プリン
です!
どっちも食べやすい。柔らかすぎたら両方の違いがわかりにくいですが、固くなると明らかに違う。印象としてわかりやすいではないでしょうか?
ゲル化ってどうやって作るの?
ゲル化で一番有名なのは寒天やゼラチンですね。これらは使用する際に粉をふやかしたり、加熱→冷却必要とするため、少し手間がかかります。
介護用品として販売されているゲル化剤は、そう言う手間を最小限にし、誰でも簡単にできるよう工夫されています。とは言え、なかなか店頭に置かれていないことが多く、通信販売での購入が主になります。
ゲル化剤の中にもいくつか種類があり、ゼラチンなどと同様に、加熱→冷却を必要とするものもあります。これはミキサー食などの食事で、加熱を必要とするものに用いると非常に便利です。
また、加熱→冷却を用いず、とろみ剤のように手で混ぜるだけで作れるゲル化剤もあります。ただし、これは水分に粉を入れてから一気に手早くしっかりと混ぜる必要性があるため、食品ではなく飲み物への使用に向いています。
さらに「特殊ゲル化剤」といって、ミキサーなどの攪拌力を使って混ぜることでゲル化するタイプのものもあります。これはミキサーで混ぜるため、だまはできにくく、しっかりとゲル化させることができます。ただしミキサーを必ず用いるため、洗い物の手間などもあります。
この時に使用するミキサーは100円ショップなどの簡易的なものでも問題ありません。
結局どれを買えばいい?
とろみ剤もゲル化剤も、金額や容量が様々で、なかなか一概には言えないところが悩みどころ。
実際このメーカーはおすすめですと言うものはありますが、なかなか個人的なものなのでブログには書きにくく・・・(・_・;
ただ印象として、近所のドラッグストアだと古いタイプの昔ながらの商品が置かれている場合もあるので、それで良しとも言えません。私の場合は、総合病院の売店で買うように勧めることが多いです。と、言うか私の場合は市内の総合病院の売店は必ずチェックしているので、紹介する時に「○○病院の売店で買ってね」とお伝えしてしまうのですが・・・^^;
いずれにしもて、使い勝手や味の好みって本当にご家庭によって異なるので、少量パックなどを試されるといいかもしれません。
こう言うことを総合的に相談できる窓口があればいいなと、記事にしながら改めて思った次第です。ご参考までに♪
【長岡菜都子(だんらんコーディネーター)】
リハビリテーション専門職である言語聴覚士の国家資格を所有。病院勤務を経て、訪問看護ステーションに入職。以後12年間で、訪問リハビリテーションを学ぶ。対象は乳幼児から高齢者まで幅広く、病気や障害を抱えながらも、にいかにして家族とともに充実した温かい生活を送れるかにこだわり、支援している。
現在は病気や障害を抱える当事者に対し、『個別』ではなく、家庭や関係施設へ『戸別』に訪問し、主に「はなすこと」「たべること」に関する、赤ちゃんの育み支援、こどもの学び支援、成人・高齢者の生活支援を行っている。
その他、医療・福祉・介護・教育施設等への外部講師等も行い、「はなすこと」「たべること」のバリアフリーを目指し活動中。
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