先日、義父母から提案がありました。数年前に他界した祖母の「喉仏」をこれまでお仏壇にあげていたけれど、今年納骨をするとのことでした。さて今日は「喉仏」のお話。
喉仏ってどこ?
のどぼとけってどこにあるでしょうか?そう、喉ですね。この喉仏に当たる部分は軟骨でできています。「甲状軟骨」といいます。男性はこの甲状軟骨が一部出っ張っており非常にわかりやすいのですが、じゃあ女性はどうでしょうか?女性も喉のの作りは同じですから、甲状軟骨もあり、そのうちの一部が前方に飛び出しています。ですから「のどぼとけ」自体はあるのですが、それが大きくないため、外からは見えにくいのです。
本当の喉仏
男女とも喉仏があることがわかりました。しかし上記をよくご覧ください。この喉仏の正体は「甲状軟骨」であることがわかりますね。そう「軟骨」です。しかし、火葬の際のお骨上げで納骨される「喉仏」って、いわゆる「骨」ですよね?つまりあの骨と甲状軟骨(喉仏)は、全く違うもの…ということがわかります。
納骨のときの喉仏?
では、納骨の際に最後にお骨上げされる喉仏ってどこでしょうか?
これは実は背骨の一部なんです。上から二番目の、「第2頚椎」がお骨上げで納骨される“喉仏”の正体です。ちょうど首を前後左右に動かす軸になる骨です。
ではなぜこれが、喉仏と言われるのでしょうか・
この骨は、ちょうど仏様が座って合掌しているように見えるからなんですね。きっと昔の人がそれを見て、「喉に仏様がおられる」と思い、そう名付けたのでしょう。
喉仏のその後
そんなわけで、喉に仏さまが宿っておられ、天寿を全うした後に骨壷へと納められます。喉仏の骨壷は小さいので、ご自宅のお仏壇に飾る方も多いのではないでしょうか?宗派によっては分骨は良くないと言う場合もありますし、先祖代々の喉仏を飾るのも難しいので最終的には納骨されることがほとんどかと思います。
そんなわけで我が家も、とうとう祖母の喉仏を来月納骨することにしました。
実は祖母の死にはとても後悔があります。別に誰のせいでもないのですが、亡くなったあと看護師さんからかけられた言葉が頭から離れないのです。その看護師さんは予てからの知人でもあったのですが、祖母のことを非常好いてくれて、大切に看護してくれました。祖母の死後もボロボロと泣きながら私と話してくれました。
「あんな死に方ないよ・・・」
祖母は本当に苦しそうに他界しました。その看護師さんからのことばでそれが強く残ってしまいました。悪気はないのです。祖母を愛してくれたからこその言葉です。一緒に悲しんでくれました。
けどでもやっぱり、祖母の死が「苦しいもの」として終わったことを、今でも後悔しています。
祖母の死後、私の中で、家族を看取った人への声かけについてとても考えるようになりました。まだ答えは出ていませんが、自分なりの答えを探しているそんな毎日です。
喉仏の話題から少しそれました。
私達の喉の中に仏さまがいる。そんな考えは、ちょっと日本人らしくてすてきだな、なんて思っています。
【長岡菜都子(だんらんコーディネーター)】
リハビリテーション専門職である言語聴覚士の国家資格を所有。病院勤務を経て、訪問看護ステーションに入職。以後12年間で、訪問リハビリテーションを学ぶ。対象は乳幼児から高齢者まで幅広く、病気や障害を抱えながらも、にいかにして家族とともに充実した温かい生活を送れるかにこだわり、支援している。
現在は病気や障害を抱える当事者に対し、『個別』ではなく、家庭や関係施設へ『戸別』に訪問し、主に「はなすこと」「たべること」に関する、赤ちゃんの育み支援、こどもの学び支援、成人・高齢者の生活支援を行っている。
その他、医療・福祉・介護・教育施設等への外部講師等も行い、「はなすこと」「たべること」のバリアフリーを目指し活動中。
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