とろみ剤を使用したことがある方なら誰でも経験のある「うまくとろみがつかない問題」今日はその一つの解決方法について。
メーカーさんと話したよ
先日山口県老健協議会の研修会で講師を担当した際、株式会社フードケアの高木さんとご一緒しました。
高木さんには訪問看護ステーション勤務の頃から、何度かお世話になっており、「サンプルください」という私のお願いにもいつも優しくお応えしていただいています。
とはいえ、独立してから全く連絡をとっておらず、かなり久しぶりの対面となりました。
うまくとろみがつかない問題
さて、とろみ剤を使用したことのある方なら経験があると思うのですが、「うまくとろみがつかない問題」について。
私はいつもとろみがうまく使えなかった場合、メーカーさんに聞くようにしているのですが、以前から、「牛乳はとろみがつかない」「しばらくするとすごいトロミが強くなる」「ジュースもつかない」という問題がありました。このトロミ剤特有の問題に対しての解決方法を、今回教えていただいたので、皆さんにもお伝えしようと思います。
そもそもトロミってどうやってつくの?
そもそもトロミってどうやってつくのか、という点をまず簡単に説明します。
トロミ剤を水などに入れて混ぜるときに、しっかりと混ぜないときれいにトロミがつきません。それこそダマになったり、沈殿したりします。
また、初めはトロミが弱かったのに、時間が経つとトロミが強くなってしまった!という経験もあると思います。
トロミ剤を水などの中に入れてしっかりと混ぜると、水分の中で均一になります。そして、しばらく置いておくことで、粉がしっかりと「ふやける」のです。このふやける時間をしっかりと取ることで、トロミが安定します。
トロミがつきにくい飲み物
しかし、トロミ剤をいれてもうまくトロミがつかない飲み物があります。柑橘系のジュースや牛乳です。これはお茶に比べて不純物が多いことや、柑橘に含まれる酸や、牛乳に含まれるタンパク質が邪魔をして、粉がふやけにくくなるからです
しかしこれらもトロミがつかないわけではなくて、時間がたてばトロミがつきます。とは言っても、「飲みたいな」と思った時にトロミ剤入れて30分以上放置してくださいなんて聞いていられません!
メーカーによっては、牛乳専用のトロミ剤を作っていらっしゃるところもありますが、何種類も粉を増やすのは家庭では管理が大変です。そういうことから、同じトロミ剤で、何にでも同じようにトロミをつけることができないでしょうか?
実は…できるんです
裏技紹介!
トロミのつきにくい飲み物にトロミをつける方法は、その名を
二度混ぜ法
と言います。なんかかっこいい✨
では方法をご紹介します。
方法
- トロミ剤を牛乳に入れて、しっかりと混ぜます
- 5〜10分程度放置します
- 再度強めに混ぜます(30秒程度)
たったこれだけ!え?簡単?
そうなんです。簡単なんです。でもこれだけです。
どうして二度混ぜがいいの?
トロミ剤は、水分を含んでふやけることでトロミがつきます。しかし。牛乳やジュースなど不純物を多く含む飲み物は、不純物が邪魔をしてなかなかふやけ切ることができないんですね。ゆっくりとふやけるんです。
ですから数分してふやけ始めたところを、再度スプーンなどで一気に刺激を与えると、トロミ剤の柔らかくなった分子が大きく広がり、ふやけることができるんです。
固く絞った雑巾をバケツの水に入れただけでは、なかなかきれいに広がりませんが、そのバケツに手を入れてガシャ〜っと混ぜたら雑巾がすぐに広がりますよね?そんなイメージです(伝わるかしら?w)
この方法であれば、トロミが比較的つきにくい飲み物も、早くにトロミを安定させることができます。
フードケアさんが情報を送ってくれました
教えてくださったフードケアの高木さんに、ブログと動画にしていいですか?って聞いたらご快諾していただけました♪
さらに、こんなリンクも♪ありがとうございました♪
皆さんもよかったら試してみてください
【長岡菜都子(だんらんコーディネーター)】
リハビリテーション専門職である言語聴覚士の国家資格を所有。病院勤務を経て、訪問看護ステーションに入職。以後12年間で、訪問リハビリテーションを学ぶ。対象は乳幼児から高齢者まで幅広く、病気や障害を抱えながらも、にいかにして家族とともに充実した温かい生活を送れるかにこだわり、支援している。
現在は病気や障害を抱える当事者に対し、『個別』ではなく、家庭や関係施設へ『戸別』に訪問し、主に「はなすこと」「たべること」に関する、赤ちゃんの育み支援、こどもの学び支援、成人・高齢者の生活支援を行っている。
その他、医療・福祉・介護・教育施設等への外部講師等も行い、「はなすこと」「たべること」のバリアフリーを目指し活動中。
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