知育玩具はなにがいい?
発達に不安を抱えるお子さんに対して、どんな遊びをしたらいいのかな?そんな悩みは多いですね。
発達に不安のあるお子さんの場合、玩具を通して手先の動きを促してあげたり、視覚・聴覚に働きかけたり、工夫して遊べる要素が含まれていたり・・・。いろんなことができるようにしてあげたいと思うママは多いと思います。けれど、実は特殊なおもちゃ、知育玩具などを買いそろえる必要はありません。
私が訓練中によく使う玩具に、「折り紙」があります。
今日は折り紙でできる遊び方を紹介します。
折る
当たり前ですが、折り紙ですから折ることが遊びになります。しかし折り紙の角と角を合わせるということは、実はとても難しいものです。
折り紙は表と裏で色が違うため、この“角と角を合わせる”練習をする際に、色のコントラストがはっきりとしていると練習がしやすいのです。
折るときは、1人で折れるように勧めても良いですし、ママが角を1つ(または2つ)持ち、お子さんが反対側を持ったまま「パッチンするよ〜」と言って、角が合うように手を近づける。こういう関りの変化も、その都度できるといいですね。
丸める
折れないなら丸めてみよう。グシャグシャっていう音がまた楽しいものです。握って丸めたときの手の感覚と、グシャグシャっていう音の感覚が重なって、子どもは楽しんでできますね。
丸めた大きさが、ママとこどもはどっちが大きいかな?とか、丸めたときに表の色と裏の色が見えるので、「白を探そう」なんて遊びもいいですね。
丸める(筒にする)
同じ丸めるでもグシャグシャにするのではなく、筒状にしてみましょう。細くすると固くなり、太くすると柔らかい。筒にした折り紙を望遠鏡にして覗いてみたり、耳に当てて「もしもし」するのも楽しいですね。
やぶる
折り紙をあえて破る。これも遊びです。破ると「ビリビリ」という音がします。一気にやぶれば「シャッ」という音がしますし、そーっと破れば「チリチリ」という音がします。破り方にも一工夫。1人で破いてもいいですし、ママと2人で引っ張りっこも楽しいですね。できた紙くずを使って、紙吹雪、紙相撲、なんでもできます。
描く・書く
紙ですからお絵描きしても楽しいですね。文字や絵が書けなくたっていいんです。殴り書きだって、構いません。黄色い折り紙に青いペンで絵を描いたら緑になった、そんな体験も必要です。ママが描いた絵を裏返してなぞる。それもまたコミュニケーションです。
組み合わせる
五感を刺激したい場合、1つの刺激に偏るのではなく、いくつかの刺激を組み合わせることで、相乗効果で発達を促すことができます。上記のいくつかの遊び方を組み合わせてみましょう。組み合わせ例をいくつかピックアップ
●描く→破る→戻す
自分で描いた絵をパズルみたいに戻せるかな?
●描く→折る→箱に入れる
郵便ごっこできるかな?
●描く→破る→見立て遊び
紙に描いたリンゴを、綺麗にママと半分こできるかな?
●書く→破る
ママが線を書いて、それに沿ってやぶってみよう。どれくらい集中できるかな?
●丸めて、こすって、ことばに変えて
聞こえた音を、言葉で表現。「ぐしゃぐしゃ」「かさかさ」など
●破り方を変えて、長くできるかな?
細く長くやぶれば、長い1本になるかもしれない
●破って、撒いて、掃除して
やぶった折り紙を、ばーっとまいたら紙吹雪。それを1か所に集める。それだけで楽しい
特別じゃなくて良いんです
折り紙だってなんだって、特別な玩具じゃなくて良いんです。どんなものでも遊び方は無限大。
あえて知育玩具を買わなくても、アイデアは身近にあるんです。
大切なことは、焦らないこと。
ママと一緒に過ごすこと。
そんな遊びを応援しています。
【長岡菜都子(だんらんコーディネーター)】
リハビリテーション専門職である言語聴覚士の国家資格を所有。病院勤務を経て、訪問看護ステーションに入職。以後12年間で、訪問リハビリテーションを学ぶ。対象は乳幼児から高齢者まで幅広く、病気や障害を抱えながらも、にいかにして家族とともに充実した温かい生活を送れるかにこだわり、支援している。
現在は病気や障害を抱える当事者に対し、『個別』ではなく、家庭や関係施設へ『戸別』に訪問し、主に「はなすこと」「たべること」に関する、赤ちゃんの育み支援、こどもの学び支援、成人・高齢者の生活支援を行っている。
その他、医療・福祉・介護・教育施設等への外部講師等も行い、「はなすこと」「たべること」のバリアフリーを目指し活動中。
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