【びぃどろ講座】タピオカで窒息!?

実は今日、人生初のタピオカドリンクを飲んでみました。今日はそのお話。

タピオカってなぁに?

タピオカとは、キャッサバという植物の根っこから取れるからデンプンのことを言います。そしてそれに水分を加えて練ることで、糊状になるんだとか。それを球状に加工し、乾燥させたものを煮戻して、デザートや飲み物などに加えているもの、これが最近流行の「タピオカドリンク」なわけです。

タピオカの大きさ

その商品の種類によって、大きさはまちまちなようですが、タピオカドリンク用のストローの径は10〜12mmが基本です。ですからまぁ5〜8mm程度の大きさが主流でしょうか?

さて…ちょっと気になるこの形状と大きさ。何が気になるかって?

子供の窒息です。

喉の大きさってどれくらい?

もし喉にものが詰まったとして、それはどれくらいの大きさなんでしょうか?下図を見てみましょう。

このように、食べ物が詰まるには二箇所の関所あることがわかります。

第一の関所

上図の①についてみてみましょう。②に比べてやや大きい範囲で。場所から考えると、場合によっては嘔吐の反射で出せるかもしれません。

とは言え、例え大人であっても、ここの大きさにちょうど合う物がポコっと入り込むと、気道を塞いでしまい、窒息します。さて、この大きさ、子供はどのくらいでしょう?

子供の場合、直径4センチのものでもここに詰まるとされています。それより大きいと、口に入らなくなります。ですから、小さい子供のさんの玩具は、これを考えた大きさの設計になっていますね。

第二の関所

さぁいよいよ本題の、第二の関所です。②で示したところが、気管の入り口です。

成人の場合、この入り口部分の直径は約11mmです。そして、子供はなんと、6mmなんですね。あれ…?さっきタピオカの直径の話になりませんでした?

タピオカが詰まるかも?

上述の通り、そうです。タピオカはお子さんには非常に危ない大きさです。しかも気管の入り口ですから奥深いので、取り出すのも非常に難しくなります。

ましてやタピオカドリンクですから、ストローで吸い込むわけです、吸い込んでいるんですから、一気に気管に向かって吸い込まれていく可能性も十分にあるというわけです。

うぅ〜ん、ちょっと恐ろしくなってきました。

タピオカの窒息事故はないの?

気になってから、色々調べてみましたが、やはり窒息事故が起きているとのことでした。

窒息しているお子さんが救助されたというSNSの書き込みも出てきました。どこまで本当かは不明ですが、これだけブームになっているわけですから、それも当然かもしれませんね。
中国ではお子さんの死亡事故まで。なんともはや…。

年齢を決めよう

窒息しそうな食べ物って、たくさんありますよね。食事など、目の前で親が確認できそうなものならいいのですが、おやつは要注意です。もちろん、何歳でも窒息の可能性があるのですが、私がお子さんの窒息に対して指導する場合、飴・ガムなど、長時間口の中にあって、窒息リスクの高いおやつを与える年齢については以下のように指導しています。


「兄弟全員が小学生に上がってから」

少し厳しいかな?とは思いますが、お子さんが2人以上いる場合、下のお子さんは上のお子さんが食べているものを真似します。ですから、飴などの窒息リスクのあるものは、そもそも全員が小学生になるまで買わない、家に置かない、ということをお伝えしています。

逆にお餅や白玉など、給食として提供される可能性があるものは、噛んで食べることを教えます。

さぁ、タピオカはどうでしょう?

おやつとして、「あえて」与える必要性はないかもしれませんね。ただし、どうしても食べることになったら?私ならスプーンで1粒ずつ与え、噛んで食べるように声をかけます。それでも安全とは言えないかもしれませんが、まだマシなのかな?と思います。

窒息を起こすと、取り返しがつきません。せっかくの楽しいおやつの時間を楽しく過ごして欲しい。安全に食べられる方法を模索したいですね。

でも、初めてのタピオカドリンク。おいしかったです(笑)

【長岡菜都子(だんらんコーディネーター)】
リハビリテーション専門職である言語聴覚士の国家資格を所有。病院勤務を経て、訪問看護ステーションに入職。以後12年間で、訪問リハビリテーションを学ぶ。対象は乳幼児から高齢者まで幅広く、病気や障害を抱えながらも、にいかにして家族とともに充実した温かい生活を送れるかにこだわり、支援している。
現在は病気や障害を抱える当事者に対し、『個別』ではなく、家庭や関係施設へ『戸別』に訪問し、主に「はなすこと」「たべること」に関する、赤ちゃんの育み支援、こどもの学び支援、成人・高齢者の生活支援を行っている。
その他、医療・福祉・介護・教育施設等への外部講師等も行い、「はなすこと」「たべること」のバリアフリーを目指し活動中。