お風呂上がりに綿棒でゴシゴシする方も多い耳掃除。これってした方がいいの?しなくていいの?
今日はその問題に決着をつけましょう♪
耳アカってなぁに?
耳垢とは正確には「じこう」と読みます。これは、耳の穴の中にある皮脂から出る分泌物と、垢と、ホコリなどの汚れの混ざっているものです。
この耳垢は、耳の奥にまであるイメージかもしれませんが、本当は穴の入り口付近にだけ出てくるものなので、放置しても奥まで汚れが溜まる、ということもありません。
また、生物学的に自然に出てくるもですから、自浄作用で自然に排出されるようにできています。日々口を動かしたり、お風呂に入ったり、身体の向きを変えることで自然と穴の外に向かって出てくるようになっています。そうでないと、耳掻きなんて存在しなかった時代にはみんな耳垢のせいで難聴を起こしているはずですから。
またこの耳垢があるおかげで、外部の汚れなどが、耳の中にまで侵入しないようになっているという説もあるとか。
意外と大切なんですね。
耳垢の種類
さて、みなさんの耳垢はどんな性状ですか?カサカサ乾燥?ベトベト湿ってる?
実は日本人の7割が湿った耳垢です。これは遺伝子によるものなんですが、カサカサの乾燥した耳垢は劣性遺伝、ベトベトの湿った耳垢は優勢遺伝です。ですから、夫婦のうちどちらかが湿った耳垢の場合、ほとんどの確率で湿った耳垢の子が生まれます。
ちなみに私は乾燥、私の主人は湿っているので、我が家の子供たちは全員湿っています。なんか悔しい…(笑)
私は実家が全員乾燥した耳垢で、耳掃除もピンセットでスーって取っていたのですが、私の子供たちにはそれができません。
耳掃除って必要?
冒頭でもお話ししたように、基本的に耳垢というものは自然に排出されるようにできています。ですから積極的な耳掃除は不要とされています。
特に乾燥した耳垢の場合、耳の中に貼りつくこともあまりないので、自然と排出されるのを待っていいと思います。
しかし湿って周りに貼り付いている耳垢も、それでいいんでしょうか?
やはり湿性耳垢の方、代謝の早い子供、高齢者、外耳道が狭い方などは耳垢が溜まりやすいので、定期的な耳掃除が必要とも言われます。けれどそれも毎日のことではなく1ヶ月に1回程度で十分です。また、綿棒をグリグリと押し込むことで、返って耳垢を奥に追いやってしまうこともあります。ですから、耳掃除はなるべく入り口付近を優しく綿棒でぬぐうだけにしましょう。耳の奥は触らないでください。
どうしても気になる場合、やはり耳鼻科で掃除してもらうのが一番いいです。安全確実。
耳掃除って気持ちがいい
とはいえ、耳掃除ってすごい気持ちがいいですよね。あれも実は理由があります。
耳の中には迷走神経という神経が走っています。この神経は快楽を司っている神経だとか。なので気持ちよくなり、やめられない、という人がいるんですね。
ちなみにうちの子供たちも「耳掃除して〜」って言ってくるので、本当に時々撫でるだけですが綿棒で掃除をしています。
グリグリと綿棒で押し込んで、皮膚を傷つけてはいけませんが、少し子どもたちとのスキンシップのつもりでするのは、案外悪くないのかな?なんて思ったりしています。
それにしても・・・
湿性の耳垢って、掃除しにくい!!
慣れない耳掃除なので、毎回手こずりながら、子どもたちとの楽しいひとときを送っている私でした。
【長岡菜都子(だんらんコーディネーター)】
リハビリテーション専門職である言語聴覚士の国家資格を所有。病院勤務を経て、訪問看護ステーションに入職。以後12年間で、訪問リハビリテーションを学ぶ。対象は乳幼児から高齢者まで幅広く、病気や障害を抱えながらも、にいかにして家族とともに充実した温かい生活を送れるかにこだわり、支援している。
現在は病気や障害を抱える当事者に対し、『個別』ではなく、家庭や関係施設へ『戸別』に訪問し、主に「はなすこと」「たべること」に関する、赤ちゃんの育み支援、こどもの学び支援、成人・高齢者の生活支援を行っている。
その他、医療・福祉・介護・教育施設等への外部講師等も行い、「はなすこと」「たべること」のバリアフリーを目指し活動中。
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