そういえば口腔ケアについてって、記事にしたことがなかったような?今日は口腔ケアについてです。
口腔ケアってなぁに?
口腔ケアとは、歯ブラシ、糸ようじ、歯間ブラシ、舌ブラシ、スポンジブラシなどの様々な道具を使って、歯、歯肉、舌、義歯など、お口の中を掃除し、口腔内を清潔にすることを言います。また近年では、介護などの現場でも口腔ケアの重要性が注目されるようになり、口腔内の疾患の予防や口腔の周囲を含めたトレーニングなど、いわゆるリハビリテーション目的で行われることも増えてきました。口腔ケアにより口腔内が清潔に保たれ、むし歯や歯周病を予防し、口臭を消し、さらに全身の健康を守る目的でも、最近では様々な場面で注目されています。
今日は介護現場で一般的に行われる、スポンジブラシを使った口腔ケアの基本ポイントについて。
口腔ケアのタイミング
口腔ケアを行うタイミングには諸説あります。虫歯の予防という観点では、食直後は最も唾液が多く、口腔内が逆に衛生的であることから、歯ブラシなどは不要という意見もありますし、歯が食事に含まれる糖に長時間晒されることがないよう、スムーズな口腔ケアを推奨する方もいらっしゃいます。
そのため、今日はその点については論じません。
ただ、きっと読者の方に多いだろうと思われる、介護やケアなどをされる方たちにとっての口腔ケアには2つのタイミングがあります。
「食前」と「食後」です
「食前」の口腔ケアの目的は、口の中の清潔です。口腔内の細菌の数を最小限にし、万が一誤嚥を起こした場合にも、肺炎につながらないようすることが目的です。
「食後」の口腔ケアの目的は、残渣物の除去です。つまり、食べかすなどが口の中に残らないようにすることが目的です。そうすることで、食後に残留物が、喉に入りこみ、誤嚥することを防止できます。
この2つのタイミングは、両方とも目的が異なりますが、両方とも意味があるため、どちらも重要です。施設などで1回しか口腔ケアのタイミングがない、という場合もありますが、そういう場合はより優先度が高い方を個別に検討しましょう。
口腔ケアの手順
介護現場などでよく使われる、口腔ケア道具として、スポンジブラシが思い浮かぶと思います。今日はそのスポンジブラシの使い方のうち、口の「どこを拭くか」という点について説明をしたいと思います。
口腔ケアの基本。とても重要な基本があります。それは・・・
「上から下へ」
「奥から手前へ」
です。え?何それって?これが何を指すかというと…
家の大掃除と同じなんです。
棚の上の方の埃を払ってから、床拭きしますよね?口腔内も同じで、上から下に向かって汚れを落とし、奥から手前に掻き出す、というやり方が最もスムーズです。
具体的な手順
とりあえず、文字で言うより、図での説明を入れましょう
- 上唇の内側を、奥から手前に
- 上顎の歯の内側を、奥から手前に
- 上顎を、奥から手前に
- 頬の内側を、奥から順に上から下へ
- 下唇の内側を、奥から手前に
- 上顎の歯の内側を、奥から手前に
- 舌を奥から手前に
どうですか?
全て「奥から手前」「上から下」の順になっていることが分かりますか?
汚れを上から、奥からかき集めて、最後に舌の上にあるものを集めて掻き出す。そう言うイメージですね。
奥が深い口腔ケア
口腔ケアについて説明をすると膨大な量になります。少しずつ話題にしていきましょうね。まずはお口の掃除は家の掃除と同じ手順と言うルール、覚えてくださいね。
【長岡菜都子(だんらんコーディネーター)】
リハビリテーション専門職である言語聴覚士の国家資格を所有。病院勤務を経て、訪問看護ステーションに入職。以後12年間で、訪問リハビリテーションを学ぶ。対象は乳幼児から高齢者まで幅広く、病気や障害を抱えながらも、にいかにして家族とともに充実した温かい生活を送れるかにこだわり、支援している。
現在は病気や障害を抱える当事者に対し、『個別』ではなく、家庭や関係施設へ『戸別』に訪問し、主に「はなすこと」「たべること」に関する、赤ちゃんの育み支援、こどもの学び支援、成人・高齢者の生活支援を行っている。
その他、医療・福祉・介護・教育施設等への外部講師等も行い、「はなすこと」「たべること」のバリアフリーを目指し活動中。
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