嚥下障害といったらとろみ剤!というくらい、徐々に市民権を得てきたとろみ剤。今日は家庭での保管方法について。
湿気対策しましょうね
やはりとろみ剤は水分と結合するわけですから、湿気には要注意。また口に入る食品ですから、カビなどにも気をつけたいところですね。
とろみ剤は大きく分けて3種類の形で売られています。
個包装タイプ
これは1〜3グラムくらいずつに個包装されています。その商品の特徴によってグラム数が違いますが、グラム数が多ければ得というわけではありませんので悪しからず。
少量でとろみがつくハイパータイプのものがあるのです。
この個包装の特徴は
🔹持ち運び便利
🔹衛生的
🔹湿気ない
施設や学校へ預ける時は、こういう個包装が保管しやすいので、そちらにしている方が多い印象です。
大袋タイプ
次に大袋タイプ。これは400gくらいのものから2kgの業務用サイズまで色々あります。400gだとインスタントコーヒーの詰め替え用パックくらい?2kgだと、枕みたいなサイズになります(笑)家庭で使うことはあまりありませんが、中には1kgくらいのものは購入する方はいらっしゃいます。
ちなみに容量が大きければ大きいほどお得というわけではなく、湿気てしまうと使えないので、ある程度使用量を考えての購入が良いですね。飲み物だけに少し…という方は400gでも多いくらいでしょうし、食事も飲み物も、という方は1kgくらいのものを購入する方が多いです。
ここで大切なのが、1回の使用量です。
実はとろみ剤の中にはハイパータイプのものが一定数あるんです。名前に「コンパクト」とか「スリム」とかがついているものです。これはどういうことかというと、「少量でノーマルタイプと同じとろみがつけられる」というもの。
なんだ、便利じゃん!と思うでしょ?そうなんですけど、あまりご家庭向けではありません。
理由は、若干割高になることが多いこと、あとは少量でとろみがつくということは、「いつもの感覚でやったらとろみがつきすぎた…」ということがあるんです。というか、かなりつきます。ですから微調整が効かないのでオススメはしていません。
なんでこんなものがあるのかというと、保管場所を「コンパクト」「スリム」にするためです。つまり、病院や施設などの集団調理で、たくさんの量を作る施設などは、とろみ剤のストックが必要です。その保管場所を減らせるよ、という目的なんですね。ですからご家庭はノーマルのとろみ剤で大丈夫です。
大袋タイプの特徴は
🔹コスパ良し
🔹こまめに買い足さなくて良い
🔹湿気や不純物混じりに注意
です。ごもっともですね。袋のまま使用するのは大変なので、容器に詰め替えるようにはお伝えしますが、結構手間で袋ごと使っている方が多い印象です。
容器タイプ
あと結構ありがたい、容器タイプ。粉ミルク見たいな缶タイプだったり、プラスチックのタッパーみたいな容器に入っていたりします、計量スプーンもついていることがほとんどですから、非常に使いやすい。販売しているメーカーは少ないですが、使い勝手はいいです。
この特徴
🔹コスパは個包装以上、大袋以下
🔹湿気対策も個包装以上、大袋以下
🔹外出に向かない
🔹使いやすい
便利道具
大袋タイプのもので、湿気対策が取れたらだいぶいいのにな〜と思うので、わたしがオススメしているのが100円ショップに売っているこの容器。
すりきりができるんです!!!便利!
ちなみに小さじ1杯がだいたい1gです(厳密には違いますが)。ご家庭の場合、ざっくりの方がいいので、1%が必要な方でしたら、コップ1杯に、小さじですりきり1杯よ〜なんて指導をしたりします。すりきりが簡単にできると、結構とろみが安定します。
こういう便利グッズ。どんどん使って、気軽なとろみライフ送ってくださいね♪
【長岡菜都子(だんらんコーディネーター)】
リハビリテーション専門職である言語聴覚士の国家資格を所有。病院勤務を経て、訪問看護ステーションに入職。以後12年間で、訪問リハビリテーションを学ぶ。対象は乳幼児から高齢者まで幅広く、病気や障害を抱えながらも、にいかにして家族とともに充実した温かい生活を送れるかにこだわり、支援している。
現在は病気や障害を抱える当事者に対し、『個別』ではなく、家庭や関係施設へ『戸別』に訪問し、主に「はなすこと」「たべること」に関する、赤ちゃんの育み支援、こどもの学び支援、成人・高齢者の生活支援を行っている。
その他、医療・福祉・介護・教育施設等への外部講師等も行い、「はなすこと」「たべること」のバリアフリーを目指し活動中。
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