【びぃどろ講座】腰痛無縁!?マッスルスーツ

先日、施設指導にお伺いした際に、マッスルスーツがありました。面白そうだったので試着をしてみることに。

今日はそのお話。

マッスルスーツって?

これはイノフィス社が開発したもので、装着型動作補助装置、アシストスーツをいいます。電力が要らない、空気圧式の人工筋肉を採用しているので、充電を気にする必要もなく身体にフィットさせることができます。水濡れによるトラブルなどの問題もなく、水場でなどの活動範囲も広がります。

なんでマッスルスーツがいるのか、などイノフィス社のホームページを見てみました。

現在、腰痛が原因による業務上疾病の発生件数は約60%あり、産業全体で大きな問題となっており、特に介護や重筋作業の現場では顕著で多く見受けられます。その腰の負担を軽減するために作業支援アシストスーツの活用が注目されています。

イノフィス社ホームページより引用

介護業界でも、腰痛の問題は大きく、介護士・看護師などベッドサイドで身の回りのケアをする職種の人は、これが離職の原因になるなど、大きな問題となっています。

試してみてどうだった?

まずは動画を御覧ください

本当は実際のご利用者様を抱えるところを取りたかったのですが、さすがにそれを公開できないので、装着場面だけの動画です。

身体に密着させるので、あまり重みは感じません。割と楽でした。身長が合わないとうまく使えないようなので、わたしには大きさがちょうど良かったのかな?と思います。

ただ、膝を思い切り曲げでしゃがむことはできません。そのため床に臥床している方を抱えあげることはできない仕様になっています。ちょうどこの撮影した施設は、床や畳エリアで利用者さんが臥床しているのですが、全体的に高さが低く、このスーツを装着した状態ではそもそも抱くことができない、という状態でした。残念。

腰痛予防は大事

わたしは筋力が弱いんです。なので、自分の子供ですら抱えあげるのに必死。就職したてのころ、PTの先輩が握力計で図ってくれたんですが、なんと握力14kg!!!!周りのPT・OTの先輩に大爆笑されるということに・・・。

子どもが生まれてから抱えあげることも増えたんだと思いますが、握力が上がり22kgぐらいまで増えました♪それでも強くはないですが、なんとか生活は困っていません(笑)

そんなわけで、筋力がないことを自覚しているので、バリバリの理系のわたしは、子供を抱え上げるときなどは運動力学などを考慮して、「コッチ方向に爪先を向ければいいな」「膝をこうしたらテコの原理で動くな」など考えて身体を使うようにしています。

おかげでこれまで腰を痛めたことはありません。過信はしませんが、悪くしないように配慮しています。

しかし、これが介護職だった場合はそうも行かないと思います。自分のペースでずっと動けるものでもないので、どこかで痛めることもあるでしょう。やはり、身体の使い方や適切な道具を選択することで、介護する側の人間に負担のない状況を作り出すことって大切なんだな、と感じます。

こんかい試着した施設は、最近腰痛をどうにかして減らそうと苦慮されています。いろいろわたしも勉強中なのですが、少しでも職員さんが楽にケアができて、ケアに集中できる環境づくりのお手伝いができたらいいな、と思います。

また、新しい機器があったら試してみよう♪

まだまだ知らないことがたくさんありますね。

【長岡菜都子(だんらんコーディネーター)】
リハビリテーション専門職である言語聴覚士の国家資格を所有。病院勤務を経て、訪問看護ステーションに入職。以後12年間で、訪問リハビリテーションを学ぶ。対象は乳幼児から高齢者まで幅広く、病気や障害を抱えながらも、にいかにして家族とともに充実した温かい生活を送れるかにこだわり、支援している。
現在は病気や障害を抱える当事者に対し、『個別』ではなく、家庭や関係施設へ『戸別』に訪問し、主に「はなすこと」「たべること」に関する、赤ちゃんの育み支援、こどもの学び支援、成人・高齢者の生活支援を行っている。
その他、医療・福祉・介護・教育施設等への外部講師等も行い、「はなすこと」「たべること」のバリアフリーを目指し活動中。