【びぃどろ講座】障害者スポーツ ボッチャ

先日、通所施設へ指導に伺うと、ちょうど「ボッチャ」の最中。さて、ボッチャってご存知ですか?

ボッチャとは

ボッチャとは、ヨーロッパで生まれた重度脳性麻痺者や四肢重度機能障害者のために考案されたスポーツです。現在はパラリンピックの正式種目にもなってるんですよ。

これは古い歴史のあるスポーツで、古代ギリシャの球投げから始まっています。そして、6世紀のイタリアで現在の原型が生まるなど、古くから親しまれているスポーツです。

ルール

用意するものは、3色の革製のボールです。大きさは周径28センチ程度のもので片手で持てるサイズ。白を1つ、青と赤をそれぞれ6つずつ使用します。

先攻の赤チームが、まずジャックボール(目標球)と呼ばれる白いボールを投げ、自分の玉も1球投げます。
次に青チームが持ち玉を1球投げます。
その後、ジャックボールから遠い色のチームが、持ち玉を1球ずつ投げ込んでいきます。

それぞれ6球投げ終えた後、もっともジャックボールに近い位置に玉を投げ入れているチームが勝ちとなります。

得点は、相手チームの玉のうち、最もジャックボールに近い玉より内側にあるボールの数で決まります。

個人戦や団体戦などがあり、それぞれチーム編成などの厳密なルールがあるのですが、ざっくりとそんなかんじ。

国際大会

ボッチャはパラリンピックの正式種目でもあり、国際大会もあるスポーツです。障害者スポーツですから、障害の種類などによってクラス分けされて、それぞれに対応したルールを設けています。

立って投げる場合もあれば、車いす等で座って投げる場合もあります。投げることができなければ、すべり台のような専用の道具で転がすこともあります。

こうして、老若男女、障害の有無によらず一緒になって楽しむことができるスポーツ。それがこのボッチャなんですね。

パラリンピック

日本はこのボッチャでは、北京2008大会でパラリンピックに初出場して以来、3度目となるリオデジャネイロ2016大会で、団体BC1/2で初めて銀メダルをつかんでいます。決勝戦では強豪タイに、なんと4-9と食い下がる健闘を見せました。今年は東京オリンピック・パラリンピックです。現在コロナウイルスの世界的流行で、開催への不安もありますが、この東京2020大会で、「火ノ玉JAPAN」旋風を期待したいですね。

【長岡菜都子(だんらんコーディネーター)】
リハビリテーション専門職である言語聴覚士の国家資格を所有。病院勤務を経て、訪問看護ステーションに入職。以後12年間で、訪問リハビリテーションを学ぶ。対象は乳幼児から高齢者まで幅広く、病気や障害を抱えながらも、にいかにして家族とともに充実した温かい生活を送れるかにこだわり、支援している。
現在は病気や障害を抱える当事者に対し、『個別』ではなく、家庭や関係施設へ『戸別』に訪問し、主に「はなすこと」「たべること」に関する、赤ちゃんの育み支援、こどもの学び支援、成人・高齢者の生活支援を行っている。
その他、医療・福祉・介護・教育施設等への外部講師等も行い、「はなすこと」「たべること」のバリアフリーを目指し活動中。