【講師】山口県老人保健施設協議会 研修会

本日は、山口県老人保健施設協議会の栄養部会研修会で講師を努めてまいりました。

山口県老人保健施設協議会とは?

山口県老人保健施設協議会は、山口県内の老人保健施設が一致協力して、老健施設の質的向上と相互研鑽を図り、社会福祉の増進に寄与することを目的として設立された組織です。

今回はこの協議会の中でも栄養部会での研修会ということで、県内の40名ほどの管理栄養士さん向けにお話をさせていただきました。

今回のテーマは?

今回のセミナーは「嚥下障害があっても自宅に帰ろう〜老健から自宅を目指してできること〜」というテーマでお届けしました。

老健の最近の傾向

私が初めて勤務した病院は、急性期から療養病棟まであり、デイケア・老健・特養・訪問看護など様々なサービスを行っている病院でした。とは言え、私は老健への配属はなかったため、中の事情というものは詳しくはありません。

しかし、様々な立場のセラピストの話を聞いたり、施設指導などで介入していると施設ごとの難しさというものがよく理解できます。

介護保険下の施設ですから、制度の変遷とともにどんどん体制も変わらざるを得ません。しかし、その都度利用者を変えるわけにはいきません。ですから、制度の移ろいを読みながら、必要とされる支援をしていかないといけない。これは老健だけの課題ではないのでしょうね。

今回の依頼

実は今回の依頼は、研修班の管理栄養士さんのうち、数名が下関の栄養士さん。そして、私のことをご存知の方が数名いらっしゃったようなのです。そこで、今年度の研修計画を立てるさいに出た話題。

「下関は長岡さんのように、積極的に施設介入してくれるようなフリーのSTがいて、すごいんだぞ!山口県頑張ろうぜ!という想いを伝えたいから依頼しました!存分に話しちゃってください!!」

うっそん(・_・;なんて素敵なこと言うねん

と、まぁお世辞かもしれませんが、そんな嬉しいことをおっしゃっていただけたので、喜んでお受けした研修となりました。

内容をちょっとだけ

老健の目的は「在宅復帰」ではありますが、施設によってはなかなかその目的通りにいかない部分もあるのが実態と思います。もちろんそれは施設の問題だけではなく、利用者の家庭背景などの影響もあります。

自宅に帰っても、トイレのこと、お風呂のこと、日常生活のこと、様々な問題点があると思います。

それらを全てお話しすると「やっぱり帰れない!!」と言うことになりかねないので、今回は焦点を絞ったお話にしました。

それは「残された課題は【食事】と言う利用者がいたら、どうすれば帰れるのか」と言うテーマです。

家庭で食事をする条件

私は訪問看護に12年勤務していたこともあり、「家庭ならでは」の食事継続方法というものが少し具体的に見えてきました。今回はこのテーマでお話しすることが決まった際に、ぜひ在宅生活ならではの食事継続のポイントをお伝えしようと決めていました。

自宅での目標が具体的であれば、今しないといけない支援がわかる

目標を決めて、そのためのステップを老健などのバックアップ施設が考える。これはとても重要です。

読めない未来に向かうより、具体的なゴールがあることで、支援する側もされる側も自信を持って安心して自宅生活を迎え入れられるようになるのです。

今日は、そんな想いを少しお伝えできたかな?と思っています。

午後のセミナー

そしてセミナー後半は株式会社フードケアの高木麻祐子さんによる「摂食・嚥下機能ととろみ調整食品」についてのお話でした。高木さんとお会いするのは久しぶり!訪問看護勤務の頃にお世話になって以来でした。私の現状をお伝えしつつ、近況のご報告ができてよかったです。

お話のお上手な高木さん♪

フードケアさんの作っていらっしゃるとろみ剤は本当に使いやすくて、かなり重宝しています。今後も素晴らしい商品を期待しております♪

いや、実は今日は、機器トラブルがあって、私の持参したiPadもパソコンもプロジェクターに映らない!という事態!このピンチを救ってくれた高木さん。高木さんのパソコンをお借りして、どうにかこうにか講師をこなすことができました。神様!!!

山口県老健協議会の皆様、フードケアの高木さん、今日はありがとうございました。

【長岡菜都子(だんらんコーディネーター)】
リハビリテーション専門職である言語聴覚士の国家資格を所有。病院勤務を経て、訪問看護ステーションに入職。以後12年間で、訪問リハビリテーションを学ぶ。対象は乳幼児から高齢者まで幅広く、病気や障害を抱えながらも、にいかにして家族とともに充実した温かい生活を送れるかにこだわり、支援している。
現在は病気や障害を抱える当事者に対し、『個別』ではなく、家庭や関係施設へ『戸別』に訪問し、主に「はなすこと」「たべること」に関する、赤ちゃんの育み支援、こどもの学び支援、成人・高齢者の生活支援を行っている。
その他、医療・福祉・介護・教育施設等への外部講師等も行い、「はなすこと」「たべること」のバリアフリーを目指し活動中。