【びぃどろ講座】外食便利グッズ

これまでどれだけ美味しい食事をしていても、どれだけ健康に気を付けていても、急な病気や障害により、普通食を食べられなることがあります。また先天的な病気などにより、お口の機能発達に遅れがあると、そもそも離乳食から普通食にステップアップできないお子さんもいらっしゃいます。

こういった方々は、私たちが普段食べているような普通食ではなく、やわらか食やミキサー食など、噛む力や飲み込みの力に配慮した食事を食べる必要性がでてきます。

しかし、そういった食事ばかりになると困るのが「外食」

最近では嚥下障害に対応したレストランだったり、いろいろなサービスの広がりがありますが、どこでも食べられるわけではありません。今日は普通の外食の際に使える便利道具をいくつかご紹介します。

マッシャー

『噛めない』を『潰す』でフォロー

マッシャーとはその名の通り、食べ物をマッシュ(潰す)するもの。マッシャーにもいろいろな形がありますが、私が持っているものはこちらの3種類。

左から順に、ミキハウス(メラミン製)
オークスのステンレスベビーマッシャー
新越ワークスのマッシャー

私がよく使うのは左のもの。ステンレス製のものも使いやすいのですが、穴や隙間に食べ物が詰まるので、使いにくく感じることがあります。この白いマッシャーはメラミン製で、意外と丈夫なので、潰すときに折れたり割れたりする心配もありません。

マッシャーの選ぶポイントは
・持ちやすい
・力を入れやすい
・丈夫(折れにくい)
・洗いやすい

こういった点に注意して選んでみてください

麺カッター

『噛めない』を『潰す』と『切る』でフォロー

麺カッターもいろいろなメーカーが出していますが、私が一番使っているのはこちら。

他のお値段するものより断然オススメ

100円ショップ(セ〇ア)の商品です。それ以外のベビー用品店などで売られている商品も使ってきましたが、これが一番使い勝手が良かったです。

フードグラインダー

『噛めない』を『すりつぶす』でフォロー

これもいくつかのメーカーが出しています。使い比べをしたことはありませんが、粗いミキサー食のようなものが作れます

白い網プレートの下に食材を入れてハンドルを回すと
網プレートの穴から潰された食材が出てくる

ただし、洗いにくいことと、大きいため落ち運びに不便という点がデメリットとして挙げられます。

キッチンバサミ

『噛みきれない』を『切る』でフォロー

台所用品の王道、キッチンバサミ。先日のブログ記事で、刻み食は危険と書きましたが、やはり刻まないと食べられないこともあります。とくに外食では。
外食をすることは、家族や友人との交流でもあるため、なるべく気軽にしてほしい。そうなると、外食先である食事の中で、刻み食に加工する必要があるのです。

キッチンバサミは
・洗いやすいもの
・先端がとがっているもの
・切れ味のいいもの

などがおススメです。最近ではベビー用品の中に、ハサミのキャップがマッシャーになっているものも売られています。そういったものを活用するのもいいでしょう。

ミニ泡だて器

『むせる』を『とろみ』でフォロー

100円ショップで販売されている、ミニ泡だて器も便利です。これはとろみ剤やミキサー撹拌タイプの特殊ゲル化剤に効果を発揮します。

100円ショップすごい

1つは持っておきたい商品です♪

ミニすり鉢&すりこぎ

『噛めない』『すり混ぜられない』を『すり混ぜる』でフォロー

100円ショップにもある、すり鉢セット。

直径10cm程度の小型。溝が浅いので使いにくいかも?

しかしあまりすり鉢としての効果は乏しいかもしれません。マッシャー との組み合わせがオススメ。

外食しよう

嚥下障害を抱える方にとって、外食はハードルが高いものです。けれど、やっぱり、家族や友人、大切な方々と外で食事がしたいと思うのは当たり前のことです。また、食事に限らずただのショッピングなどのお出かけの際にも、「ご飯食べていこうか?」「ちょっとお茶していこうか?」という会話すらできないなんて、とてもつらい。

また、このつらさは本人だけではなく家族にも共通しています。

「今日は疲れたから外食でいい?」って言えないのです。
日々家事の合間にケアに追われている家族は、食事もケアのひとつになるため、休む暇がありません。少しでも楽に食事を楽しんでもらいたい。

最近では嚥下食対応のお店も少しずつ出てきてはいます。けれど数は少ない。

そして何より、普通のお店で、食べたい!

そういう思いに少しでもご協力出来たらいいなと思います。

参考になりましたでしょうか?

【長岡菜都子(だんらんコーディネーター)】
リハビリテーション専門職である言語聴覚士の国家資格を所有。病院勤務を経て、訪問看護ステーションに入職。以後12年間で、訪問リハビリテーションを学ぶ。対象は乳幼児から高齢者まで幅広く、病気や障害を抱えながらも、にいかにして家族とともに充実した温かい生活を送れるかにこだわり、支援している。
現在は病気や障害を抱える当事者に対し、『個別』ではなく、家庭や関係施設へ『戸別』に訪問し、主に「はなすこと」「たべること」に関する、赤ちゃんの育み支援、こどもの学び支援、成人・高齢者の生活支援を行っている。
その他、医療・福祉・介護・教育施設等への外部講師等も行い、「はなすこと」「たべること」のバリアフリーを目指し活動中。