【メール相談室まぁぶる】離乳食って難しい

お口の育みって?

育児をするなかで、母乳やミルク、離乳食へとステップアップしていく中、きちんとお口を育みたいけれど、何が正しいのかわからないことって多いですよね。
お口を育んであげたほうが良いのはわかるけど、どうやって確認すればいいのかな?という疑問。どんな育児本を見ても、インターネットで調べても、結局なにが正解かわからずに悩むことも多くあると思います。

それが特に療育を必要とするお子さんの場合はどうでしょうか?

発達障害=バランス障害?

発達障害は『バランス不良』です。
『バランス』と言っても平衡感覚とかスポーツにおけるバランスではありません。
本来なら同じ時期にできるようになることが、同時に育まれない、育みの順番のバランスに問題があるという意味です。

口の発達VS歯

例えば、本来なら『噛み噛み』を覚える時期なのに、お口の機能が追いつかないため、固いものが食べられず、ミキサーにかけた食事になることがあります。しかし噛み噛み時期なので、その時期に合った歯は生えてきます。歯は、生えてくる中で舌や唇の力を使ってきれいな歯並びに整えられます。けれど、お口の能力が追い付かずに『噛み噛み』ができない『舌や唇で整えられない』時期が続くと、歯並びが悪くなってしまいます。すると、ようやく噛み噛みができる能力が育っても、歯並びが悪いことで噛み合わせがズレてしまい、うまく噛めない・・・そういう問題も起きるのです。

かといって、能力が追い付いていないことを無視して固いものを食べさせると、噛むどころか丸飲みを覚えてしまい、それはそれで正しい食べ方を学習できずに将来の食事に悪影響を与えます。

口の発達VS栄養

発育が進むと、当たり前ですが体格も大きくなります。すると年齢や体格に合わせて必要な栄養量は増えていきます。しかし、お口の育みに不安のあるお子さんの場合、ミキサー食のまま過ごすこともあります。そうなると、ミキサー食はカロリーが低いため、年齢や体格に合った栄養量を充分摂れないなどの、栄養面のバランスの問題も生まれます。

発達のバランスを整える

こういったことから発達の障害とは『バランスの障害』と言えます。そのため、療育というものは、そのバランスの問題を洗い出し、それによる悪影響を最小限にとどめるための支援をすることです。

相談窓口を作りました

さて、この療育の相談。日々の生活の中でふっと湧いては消えて、またふっと湧いては消えて・・・と、繰り返すことがあります。受診や通園・通所先などでは忘れてしまうけど、「あ、こういう時どうするんだろう?」「これでいいのかな?」と日々積み重なることがあると思います。

メール相談室まぁぶるでは、そういう日々疑問が湧き出るシーンを、お手持ちのスマートホンやタブレットで動画に撮影し、送っていただきます。そしてその動画から、疑問・質問へのお答えを解説動画として返信いたします。

発達障害は、バランス不良と言いました。このバランス不良は日々の気づきやちょっとした工夫の積み重ねで小さくできるものです。ただしそれに気が付けるかどうか、なんですね。

今の生活のなかで、お子さんのバランス不良を強めている要素がないか、あるならどう解決したらいいか、そんなヒントをお届けしたい。

今回、離乳食がお子さんの育みに適しているかのご相談をいただきました。
サンプル動画として顔を出して良いですよ、との許可をいただきましたが、念のため加工してあります。少し見にくくなっておりますが、どのような解説動画が返信されるのかの参考にしていただければと思います。

【長岡菜都子(だんらんコーディネーター)】
リハビリテーション専門職である言語聴覚士の国家資格を所有。病院勤務を経て、訪問看護ステーションに入職。以後12年間で、訪問リハビリテーションを学ぶ。対象は乳幼児から高齢者まで幅広く、病気や障害を抱えながらも、にいかにして家族とともに充実した温かい生活を送れるかにこだわり、支援している。
現在は病気や障害を抱える当事者に対し、『個別』ではなく、家庭や関係施設へ『戸別』に訪問し、主に「はなすこと」「たべること」に関する、赤ちゃんの育み支援、こどもの学び支援、成人・高齢者の生活支援を行っている。
その他、医療・福祉・介護・教育施設等への外部講師等も行い、「はなすこと」「たべること」のバリアフリーを目指し活動中。